NonVisual Desktop Access (NVDA) は、無料でオープンソースのMicrosoft Windowsオペレーティングシステム用のスクリーン・リーダーです。 合成音声や点字によるフィードバックを通して、NVDAは視覚障害者が晴眼者以上に出費をしなくてもWindowsが動作しているコンピューターを使用できるようにします。 NVDAは、コミュニティーの援助によりNV Accessが開発しました。
NVDAによって、視覚障害者はWindowsオペレーティングシステムやサードパーティー製のアプリケーションを利用できるようになります。
NVDAの主な特徴は以下の通りです。
世界中の誰もが、話している言語に関わらず、等しくテクノロジーにアクセスできるということが重要です。 NVDAは現在、英語以外の44ヶ国語に翻訳されています: アフリカーンス語、アルバニア語、アラビア語、アムハラ語、アラビア語、アラゴン方言(スペイン語)、ブラジルポルトガル語、ブルガリア語、クロアチア語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、ファルシ(ペルシア)語、フィンランド語、フランス語、ガリシア語、ギリシア語、グルジア語、ドイツ語、ヘブライ語、ヒンディー語、ハンガリー語、アイスランド語、アイルランド語、イタリア語、日本語、韓国語、ネパール語、ノルウェー語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマニア語、ロシア語、セルビア語、スロバキア語、スロベニア語、スペイン語、スウェーデン語、タミル語、タイ語、中国語 (繁体字) 、中国語 (簡体字) 、トルコ語、ウクライナ語、ベトナム語。
メッセージやインターフェースを複数の言語で提供できるだけでなく、使用したい言語に対応した音声エンジンがある場合、NVDAではどんな言語のコンテンツも読ませることができます。
NVDAは、無料でオープンソースの多言語対応音声エンジンであるeSpeakをバンドルしています。
NVDAでサポートしているその他の音声エンジンについてはサポートされている音声エンジンセクションを参照してください。
点字ディスプレイがあれば、NVDAは情報を点字で出力することができます。 サポートされているディスプレイの詳細は、サポートされている点字ディスプレイセクションを参照してください。
NVDAでは、多くの言語の点字コードをサポートしており、その多くは、略字、標準点字及びコンピューター点字にも対応しています。
NVDA is copyright 2006-2013 NVDA contributors.
NVDAはGNU 一般公衆利用許諾契約書 (Version 2) によって保護されています。 この内容に同意いただき、必要としている方にソースコードを提供していただける場合、本ソフトウェアの配布や改良は自由に行うことができます。 この規定は、オリジナルのソフトウェアと改良販を含むソフトウェアのコピー、さらにその派生物にも適用されます。 本ライセンスについての詳細は、オンラインで確認してください。
まだNVDAを入手していない場合は、www.nvda-project.orgからダウンロードしてください。
ダウンロードのページに移動して、NVDAの最新版をダウンロードするためのリンクを選んでください。
ダウンロードしたファイルを実行すると、NVDAが一時的な環境で開始されます。 そして、NVDAをコンピューターにインストールする、ポータブル版を作成する、ダウンロードパッケージの動作を継続する、のいずれかを選ぶことができます。
このコンピューターでいつもNVDAを使用したいなら、「このコンピューターにNVDAをインストールする」を選ぶとよいでしょう。 NVDAをインストールすれば、いくつかの機能が使えるようになります。例えば、ログオンしたときにNVDAを自動的に起動する、Windowsのログオン画面やセキュリティ画面を読み上げる(ポータブル版やダウンロードパッケージの環境ではこれらの機能は使えません)、またスタートメニューやデスクトップのショートカットからNVDAを起動する、などです。 インストールされたNVDAから、いつでもポータブル版を作成できます。
USBメモリーなど書き込み可能なメディアにNVDAを入れて持ち運びたい場合は、「ポータブル版を作成する」を選んでください。 ポータブル版を使って、NVDAを別のコンピューターにインストールすることもできます。 ただし CD-ROM など読み取り専用メディアにNVDAをコピーする場合は、ダウンロードパッケージをそのまま使う必要があります。 現在のバージョンでは、読み取り専用メディアでポータブル版を実行することはできません。
もうひとつの選択肢である「動作を継続する」は、デモンストレーションには役立つでしょう。しかし、ダウンロードパッケージを使う方法は、NVDAの起動にとても時間がかかります。
NVDAのポータブル版およびインストーラーでの一時的な実行では、ログオン画面の読み上げやログオン後の自動起動ができませんが、その他に以下の制約があります:
NVDAのダウンロードパッケージから直接NVDAをインストールする場合は、「NVDAをインストールする」ボタンを押してください。 最初のダイアログを閉じてしまった場合や、ポータブル版からインストールしたい場合は、NVDAメニューの「ツール」から「NVDAをインストール」のメニュー項目を選択してください。
インストールのダイアログが表示され、NVDAを本当にインストールしたいかどうかの確認が行われます。また、以前のバージョンの更新する場合にはそのことをお知らせします。 NVDAのインストールを開始するには「続行」ボタンを押してください。 またこのダイアログには後で説明されるオプションがあります。 インストールが完了すると、インストールが成功したというメッセージが表示されます。 ここで「OK」を押すと、NVDAが再起動され、新しくインストールされたバージョンが実行されます。
このオプションを有効にすると、Windowsのログオン画面でパスワードを入力する前にNVDAが自動的に起動します。 またこのオプションにより、ユーザーアカウント制御(UAC)などのセキュリティ画面でもNVDAが有効になります。
このオプションにより、デスクトップにNVDAを起動するためショートカットを作るかどうかを選択できます。 ショートカットを作ると、キーボードでCtrl+Alt+Nを押すことでもNVDAを起動できるようになります。
このオプションにより、現在実行しているNVDAの設定を、新しくインストールされたNVDAの設定として使えるように、ログオン中のユーザーアカウントにコピーするかどうかを選択できます。 システムに作られている他のユーザーやログオン画面で使われるシステムの環境には、この設定はコピーされません。 この設定はポータブル版からインストールを行う場合にだけ有効です。ダウンロードパッケージから直接インストールする場合にも使用できません。
NVDAのダウンロードパッケージから直接ポータブル版を作成する場合は「ポータブル版を作成」ボタンを押してください。 最初のダイアログを閉じてしまった場合や、NVDAをインストールされた環境で実行している場合は、NVDAメニューの「ツール」から「ポータブル版を作成」のメニュー項目を選択してください。
ディレクトリー(フォルダー)を選ぶダイアログが表示されるので、ポータブル版を作成する場所を指定してください。 ここで選ぶことができる場所は、ハードディスク上のディレクトリー、USBメモリー、その他の外付けメディア、およびその中のフォルダーです。 また、現在のユーザー設定をコピーして、作成したポータブル版で使用するかどうかを選ぶことができます。 このオプションはインストール済みのNVDAからポータブル版を作成する場合にだけ有効です。ダウンロードパッケージから作成する場合には選択できません。 続行を押すと、ポータブル版が作成されます。 作成が完了すると、作成に成功したというメッセージが表示されます。 ここで「OK」を押してダイアログを閉じてください。
インストーラーでNVDAをインストールした場合、ショートカットキーCtrl+Alt+Nを押すか、スタートメニュー「プログラム」にあるNVDAメニューから「NVDA」を選択することで起動することができます。 また、「ファイル名を指定して実行」ダイアログに、NVDAと入力してEnterキーを押すことでも実行できます。
ポータブル版を起動するには、NVDAを解凍したディレクトリーで、nvda.exeファイル上でEnterキーを押すかダブルクリックして下さい。
NVDAを起動すると、最初に上り調子の音が聞こえます (読み込み中であることを伝えています) 。 コンピューターの性能や、USBメモリー等のメディアからNVDAを起動しているかどうかによって、起動時間が異なります。 起動に長い時間がかかる場合、「お待ちください、NVDAを読み込み中です...」と通知されます。
何も聞こえないか、Windowsエラー音または下り調子の音が聞こえた場合、NVDAにエラーが起こっています。エラーをNVDA開発者に報告して頂けると助かります。 方法については、NVDAのWebサイトをチェックしてください。
NVDAを初めて起動すると、NVDAキーの代替キーとNVDAメニューに関する基本情報を表示するダイアログボックスが表示されます。 これらのトピックについては、この後のセクションを参照してください。 ダイアログボックス内には三つのチェックボックスがあります。 1番目は「Caps LockキーをNVDAの制御キーとして使用する」かどうかを設定します。 2番目は「Windowsへのログオン後にNVDAを自動的に開始する」かどうかを設定します。これはインストールされたNVDAだけで有効です。 3番目は「NVDA起動時にこのダイアログを表示する」かどうかを設定します。
ほとんどのNVDA制御用のキーボードコマンドは、NVDAキーと他のキーを組み合わせて押すことで構成されています。 例外は、単独でテンキーのみを使うテキストレビューコマンドです。
InsertキーおよびCaps LockキーをNVDAキーとして利用するように設定できます。
初期状態ではInsertキーがNVDAキーとして利用できます。
いずれかのNVDAキーを本来のそのキーとして使用したい場合 (例えばCaps LockキーをNVDAキーとして使用しているときにCaps LockをOnにしたい場合) は、そのキーを素早く2度押してください。
現在、NVDAにはふたつのキーコマンドの形態があります。 ひとつはデスクトップ向けのレイアウトで、もうひとつはラップトップ向けのレイアウトです。 デフォルトのNVDAのキーコマンドはデスクトップレイアウトに設定されていますが、NVDAメニュー内のキーボード設定から変更することができます。
デスクトップレイアウトでは (NumLock Off状態の) テンキーを頻繁に使用します。 ほとんどのラップトップには物理的なテンキーはありませんが、中にはFNキーとキーボードの右手側にあるキーを同時に押すことでテンキーをエミュレートできるものもあります (7 8 9 U I O J K L等のキーを使用) 。 使用中のラップトップでそれが不可能な場合や、NumLockをOffにできないような場合は、代わりにラップトップレイアウトに変更できます。
NVDAをタッチ画面付きコンピューターとWindows 8以降で実行しているときには、NVDAをタッチ画面で直接操作できます。 NVDAが動作している間は、すべてのタッチ入力はNVDAに送られます。 つまり、NVDAが動いていないときに実行されていた、通常のアクションは使えなくなります。
タッチ画面による操作の基本は、画面を触わったときにその場所のコントロールや文字を通知する機能です。 この機能を使うには、画面の中の調べたい場所を一本指でタッチしてください。 画面をタッチしたままで指を移動させていくと、指がコントロールや文字の上を通過するときに通知が行われます。
このユーザーガイドではNVDAのいろいろなコマンドを説明しますが、タッチ画面でコマンドを実行するジェスチャーが、リストに含まれることがあります。 ここではタッチ画面でのジェスチャーの操作について説明します。
タップとは、一本または複数の指で画面をすばやく軽くトンとたたいてすぐに指を離す動作です。
一本指で一回だけタップすることは単にタップ(一回タップ)と呼びます。 二本の指で同時にタップすることは二本指タップと呼びます。三本指タップなども同じです。
同じタップをすばやく、二回あるいは三回以上繰り返すと、NVDAはそれらを別々の操作ではなく、まとまったマルチタップのジェスチャーとして処理します。 タップを二回おこなうと、二回タップになります。 タップを三回おこなうと、三回タップになります。それ以上でも同様です。 このようなマルチタップのジェスチャーは、何本の指でタップしたか区別されます。つまり、二本指三回タップ、四本指タップなどです。
フリックとは直線を描くように画面の上で指をすばやく動かしてすぐに指を離す動作です。
フリックには4種類の方向の操作があります:左フリック、右フリック、上フリック、下フリックです。
タップと同様に、複数の指による操作もジェスチャーとして使われます。 二本指上フリック、四本指左フリックなどがあり得るということです。
NVDAのコマンドはタッチジェスチャーで区別できる操作よりも多いので、NVDAでは複数のタッチモードを切りかえます。そして、モードごとにコマンドを使いわけます。 タッチモードはテキストモードとオブジェクトモードの2種類です。 このガイドで説明するNVDAコマンドには、ジェスチャーの種類のあとにカッコの中にタッチモードが書かれているものがあります。 例えば、上フリック(テキストモード) という表記は、テキストモードのときに、上フリックでコマンドが実行できる、という意味です。 コマンドの説明にモードの表記がなければ、全てのモードでそのコマンドが使えます。
タッチモードのトグル切り替えをするには、三本指タップします。
このユーザーガイドを通じて、多くのキー操作とタッチコマンドを説明しますが、入力ヘルプモードは、さまざまなコマンドをさがす手軽な方法です。
入力ヘルプを有効にするには NVDA+1 を押します。 入力ヘルプを無効にするにはもう一度 NVDA+1 を押します。 入力ヘルプモードでは、入力ジェスチャーの操作(キーを押す、またはタッチジェスチャーを実行すること)を通知して、(何か機能が割り当てられていれば)その操作に割り当てられたコマンドを説明します。 入力ヘルプモードでは実際のコマンドは実行されません。
NVDAメニューでは、NVDAの設定変更、ヘルプへのアクセス、設定情報の保存/読み込み、読み上げ辞書の編集、その他の追加のツールの使用、NVDAの終了ができます。
NVDA実行中に、Windowsの任意の状態からNVDAメニューを開くには、NVDA+Nを押すか、タッチスクリーンで二本指の二回タップをします。 また、NVDAメニューには、WindowsのシステムトレイにあるNVDAアイコンからもアクセスできます。 アイコンをマウスで右クリックする方法と、Windowsキー+Bを押してシステムトレイに移動し、カーソルキーでNVDAアイコンを選択してアプリケーションキーを押す方法のどちらも利用できます。 メニューが開いたら、カーソルキーでメニュー項目間を移動し、Enterキーで項目を開くことができます。
名称 | デスクトップ用キー | ラップトップ用キー | タッチ | 説明 |
---|---|---|---|---|
読み上げ停止 | コントロール | コントロール | 二本指タップ | 読み上げを停止します。 |
読み上げ一時停止 | Shift | Shift | なし | 読み上げを一時的に停止します。音声エンジンによっては、もう一度押すと停止した位置から読み上げを再開できるものもあります。 |
NVDAメニュー | NVDA+N | NVDA+N | 二本指二回タップ | 各種設定やツール、ヘルプなどにアクセスできるNVDAメニューを表示します。 |
読み上げモード切り替え | NVDA+S | NVDA+S | なし | 読み上げモードを読み上げ、ビープ、オフの間で切り替えます。 |
入力ヘルプモードの切り替え | NVDA+1 | NVDA+1 | なし | 入力ヘルプモードが有効の時にキーが押されると、そのキーの名称と対応するNVDAコマンドの説明を通知します。 |
NVDAの終了 | NVDA+Q | NVDA+Q | なし | NVDAを終了します。 |
次のキー入力を渡す | NVDA+F2 | NVDA+F2 | なし | 次に押されるキーがNVDAのキーコマンドであっても、現在アクティブなアプリケーションに渡すようにNVDAに指示します。 |
アプリケーションごとのスリープモードの切り替え | NVDA+Shift+S | NVDA+Shift+Z | なし | スリープモードは現在のアプリケーションに対してすべてのNVDAコマンド、音声読み上げ及び点字出力を無効にします。これは、独自の読み上げ機能や画面読み上げ機能を提供できるアプリケーション使用時に便利です。もう一度このコマンドを押すとスリープモードはオフになります。 |
名称 | キー | 説明 |
---|---|---|
日付と時刻の通知 | NVDA+F12 | 1度押すと時刻を通知し、2度押すと日付を通知します。 |
電源状態の通知 | NVDA+Shift+B | AC電源を使用中や充電の割合といったバッテリーの状態を通知します。 |
クリップボードテキストの通知 | NVDA+C | 存在する場合、クリップボード内のテキストを通知します。 |
NVDAでは、通常の操作やレビューカーソルを含むさまざまな方法でシステム内を移動できます。
個々のアプリケーションやオペレーティングシステム自身はたくさんのオブジェクトで構成されています。 オブジェクトとは、テキストの一部、ボタン、チェックボックス、スライダー、リストまたはテキストフィールドといった個別の項目のことです。
システムフォーカス (または単にフォーカスとも呼ばれます) とは、 オブジェクトで、キーボードからの入力を受け取るもののことです。 例えば、テキストフィールドに文字を入力している場合は、そのテキストフィールドにフォーカスがあります。
NVDAによるWindows操作の最も一般的な方法は、通常のキーボードコマンドによる移動、 すなわちTabキーとShift+Tabキーによる前後移動、Altキーによるメニューバー呼び出しとメニュー操作、Alt+Tabキーによるアプリケーション間の移動です。 これらの操作を行うと、NVDAはフォーカスされている項目に関する、オブジェクトの名前、タイプ、状態、値、説明、キーボードショートカット、位置といった情報を通知します。
システムフォーカス移動時に役立つコマンドは以下の通りです。
名称 | デスクトップ用キー | ラップトップ用キー | 説明 |
---|---|---|---|
現在のフォーカスを通知 | NVDA+Tab | NVDA+Tab | システムフォーカスのある現在のオブジェクトまたはコントロールを通知します。2度続けて押すとスペルを読み上げます。 |
タイトルの通知 | NVDA+T | NVDA+T | 現在アクティブなウィンドウタイトルを通知します。2度続けて押すとスペルを読み上げます。3度続けて押すとクリップボードにコピーします。 |
アクティブウィンドウの読み上げ | NVDA+B | NVDA+B | 現在アクティブなウィンドウ内のすべてのコントロールを読み上げます (ダイアログの操作で便利です) 。 |
ステータスバーの通知 | NVDA+End | NVDA+Shift+End | みつかった場合にステータスバー情報を通知します。また、ナビゲーターオブジェクトをその場所に移動します。 |
項目間移動ができるオブジェクトやテキストフィールドの編集領域にフォーカスがあるとき、システムキャレット (エディットカーソルとしても知られています) を使ってテキスト内を移動することができます。
フォーカスがシステムキャレットを持ったオブジェクトにあるとき、矢印キー、PageUp、PageDown、Homeキー、Endキー等を使ってテキスト内を移動することができます。 もし編集が許可されていれば、テキストを変更することもできます。 NVDAは、テキスト内を文字ごと、単語ごと、行ごとに移動する際にそれを読み上げるほか、選択されたことや、選択が解除されたことも通知します。
NVDAには、以下のシステムキャレットに関するコマンドがあります。
名称 | デスクトップ用キー | ラップトップ用キー | 説明 |
---|---|---|---|
すべて読み上げ | NVDA+下矢印 | NVDA+A | 現在のシステムキャレット位置から進みながら読み上げます。 |
現在行の読み上げ | NVDA+上矢印 | NVDA+L | 現在システムキャレットのある行を読み上げます。続けて2度押すと現在行のスペルを読み上げます。 |
選択中テキストの読み上げ | NVDA+Shift+上矢印 | NVDA+Shift+S | 現在選択されている任意のテキストを読み上げます。 |
また、テーブル内では以下のキーコマンドが利用可能です。
名称 | キー | 説明 |
---|---|---|
前の列に移動 | Ctrl+Alt+左矢印 | システムキャレットを同じ行内の前の列に移動します |
次の列に移動 | Ctrl+Alt+右矢印 | システムキャレットを同じ行内の次の列に移動します |
前の行に移動 | Ctrl+Alt+上矢印 | システムキャレットを同じ列内の前の行に移動します |
次の行に移動 | Ctrl+Alt+下矢印 | システムキャレットを同じ列内に留まったまま次の行に移動します |
たいていアプリケーション上で作業する際はフォーカス及びキャレットを動かすコマンドを使用します。 しかし、場合によっては現在作業中のアプリケーションやオペレーティングシステム上の情報を、フォーカスやキャレットを動かすことなく確認したいことがあるかもしれません。 通常はキーボードからアクセスできないオブジェクト上で作業する必要があるかもしれません。 このような場合、オブジェクトナビゲーション (移動コマンド) が使用できます。
オブジェクトナビゲーションでは、個々のオブジェクト間を移動して情報を取得することができます。 オブジェクトに移動すると、NVDAはシステムフォーカスを移動したのと同じようにそれを通知します。 画面に表示された通りにテキストを確認するには画面レビューを使用します。
ひとつひとつのオブジェクトを行き来しなくても、オブジェクトは階層構造をしています。 つまり、オブジェクトの中には他のオブジェクトを含んでいるものがあり、その内部のオブジェクトにアクセスするには、それを含んでいるオブジェクトの階層の中に入る必要があります。 例えば、リストにはリスト項目が含まれていますが、そのリスト項目にアクセスするにはリストの中に入らなければなりません。 リスト項目に移動した後、前後に移動すると同じリスト内の他のリスト項目に移動できます。 リスト項目の親オブジェクトに移動すると、リストに戻ることができます。 もし他のオブジェクトにアクセスしたい場合は、リストを超えて移動できます。 同じように、ツールバーがみつかった場合はその内部に移動してツールバーのコントロールにアクセスする必要があります。
現在レビュー中のオブジェクトは、ナビゲーターオブジェクトと呼ばれます。 オブジェクトに移動すると、オブジェクトレビューモードのテキストレビューを使って内容を確認できます。 デフォルトでは、ナビゲーターオブジェクトはシステムフォーカスとともに移動しますが、この動作のOnとOffを切り替えることができます。
点字は、デフォルトではオブジェクトナビゲーションやテキストレビューではなく、フォーカスや キャレットに追従します。 かわりにオブジェクトナビゲーションやテキストレビューを行いたい場合は、点字表示の切り替えをレビューに設定してください。
オブジェクト間の移動には次のコマンドを使います。
名称 | デスクトップ用キー | ラップトップ用キー | タッチ | 説明 |
---|---|---|---|---|
現在のオブジェクトの通知 | NVDA+テンキー5 | NVDA+Shift+O | なし | 現在のナビゲーターオブジェクトを通知します。続けて2度押すとスペルを通知し、3度続けて押すとオブジェクトの名前と値をクリップボードにコピーします。 |
親オブジェクトに移動 | NVDA+テンキー8 | NVDA+Shift+上矢印 | 上フリック(オブジェクトモード) | 現在のナビゲーターオブジェクトの親オブジェクトに移動します。 |
前のオブジェクトに移動 | NVDA+テンキー4 | NVDA+Shift+左矢印 | 左フリック(オブジェクトモード) | 現在のナビゲーターオブジェクトの前にあるオブジェクトに移動します。 |
次のオブジェクトに移動 | NVDA+テンキー6 | NVDA+Shift+右矢印 | 右フリック(オブジェクトモード) | 現在のナビゲーターオブジェクトの次にあるオブジェクトに移動します。 |
最初の子オブジェクトに移動 | NVDA+テンキー2 | NVDA+Shift+下矢印 | 下フリック(オブジェクトモード) | 現在のナビゲーターオブジェクトの最初の子オブジェクトに移動します。 |
システムフォーカスのあるオブジェクトに移動 | NVDA+テンキーマイナス | NVDA+Backspace | なし | 現在システムフォーカスのあるオブジェクトに移動し、もし表示されている場合はレビューカーソルをシステムキャレット位置へ移動します。 |
現在のナビゲーターオブジェクトを実行 | NVDA+テンキーEnter | NVDA+Enter | ダブルタップ | 現在のナビゲーターオブジェクトを実行します (フォーカスされている時にマウスでクリックしたり、スペースキーを押す動作と同等です) |
システムフォーカスまたはキャレットを現在のレビュー位置に移動 | NVDA+Shift+テンキーマイナス | NVDA+Shift+Backspace | なし | 1度押された場合はシステムフォーカスを現在のナビゲーターオブジェクトに移動し、2度押された場合はシステムキャレットをレビューカーソル位置に移動します。 |
ナビゲーターオブジェクトの位置情報を通知 | NVDA+テンキーDelete | NVDA+Delete | なし | 現在のナビゲーターオブジェクトが、画面上のどこに位置しているかをパーセントで通知します (画面左上からの距離と幅及び高さを含む) 。 |
注意: テンキー操作を実行するには、NumLockキーがOffになっている必要があります。
NVDAでは、画面の内容、現在のドキュメント、現在のオブジェクトを、文字、単語、行の単位で読むことができます。 この機能は特に (Windowsのコンソールウィンドウを含む) システムキャレットのない場所で最も効果を発揮します。 例えば、ダイアログ内の長いメッセージを確認する際に使用できます。
レビューカーソル移動時にはシステムキャレットはそれに追従しないので、編集位置を見失うことなくテキストをレビューすることができます。 しかしながら、初期状態ではシステムキャレットが移動すると、レビューカーソルはそれに追従します。 この機能のOnとOffを切り替えることができます。
点字は、デフォルトではオブジェクトナビゲーションやテキストレビューではなく、フォーカスや キャレットに追従します。 かわりにオブジェクトナビゲーションやテキストレビューを行いたい場合は、点字表示切り替えをレビューに設定してください。
テキストのレビューには以下のコマンドが利用できます。
名称 | デスクトップ用キー | ラップトップ用キー | タッチ | 説明 |
---|---|---|---|---|
レビュー内の最上行に移動 | Shift+テンキー7 | NVDA+Ctrl+Home | なし | レビューカーソルをテキストの最上行に移動します。 |
レビュー内の前の行に移動 | テンキー7 | NVDA+上矢印 | 上フリック(テキストモード) | レビューカーソルをテキストの前の行に移動します。 |
レビュー内の現在行の通知 | テンキー8 | NVDA+Shift+ピリオド | なし | レビューカーソルのある現在行を通知します。2度続けて押すと行のスペルを通知します。3度続けて押すと文字の説明を用いて行のスペルを通知します。 |
レビュー内の次の行に移動 | テンキー9 | NVDA+下矢印 | 下フリック(テキストモード) | レビューカーソルをテキスト内の次の行に移動します。 |
レビュー内の最下行に移動 | Shift+テンキー9 | NVDA+Ctrl+End | なし | レビューカーソルをテキストの最下行に移動します。 |
レビュー内の前の単語に移動 | テンキー4 | NVDA+Ctrl+左矢印 | 二本指左フリック(テキストモード) | レビューカーソルをテキスト内の前の単語に移動します。 |
レビュー内の現在の単語の通知 | テンキー5 | NVDA+Ctrl+ピリオド | なし | テキスト内のレビューカーソルがある位置の単語を通知します。2度続けて押すと単語のスペルを通知します。3度続けて押すと、文字の説明を用いて単語のスペルを通知します。 |
レビュー内の次の単語に移動 | テンキー6 | NVDA+Ctrl+右矢印 | 二本指右フリック(テキストモード) | レビューカーソルをテキスト内の次の単語に移動します。 |
レビュー内の行頭に移動 | Shift+テンキー1 | NVDA+Home | なし | レビューカーソルをテキスト内の現在行の行頭に移動します。 |
レビュー内の前の文字に移動 | テンキー1 | NVDA+左矢印 | 左フリック(テキストモード) | レビューカーソルをテキスト内の現在行の前の文字に移動します。 |
レビュー内の現在の文字を通知 | テンキー2 | NVDA+ピリオド | なし | テキスト内の現在行のレビューカーソル位置の文字を通知します。2度続けて押すとその文字の説明や例を通知します。3度続けて押すと10進数や16進数による文字コードを通知します。 |
レビュー内の次の文字に移動 | テンキー3 | NVDA+右矢印 | 右フリック(テキストモード) | レビューカーソルをテキスト内の現在行の次の文字に移動します。 |
レビュー内の行末に移動 | Shift+テンキー3 | NVDA+End | なし | レビューカーソルをテキスト内の現在行の行末に移動します。 |
レビューですべて読み上げ | テンキープラス | NVDA+Shift+A | 三本指下フリック(テキストモード) | レビューカーソルの現在位置から進みながら読み上げます。 |
レビューカーソルからコピー | NVDA+F9 | NVDA+F9 | なし | レビューカーソルの現在位置からテキストをコピーします。実際のコピーはコピー終了位置を指定するまで行われません。 |
レビューカーソルまでコピー | NVDA+F10 | NVDA+F10 | なし | レビューカーソルからコピーで指定したレビューカーソル位置から、現在レビューカーソルのある位置までをコピーします。このキーを押すと、テキストがWindowsクリップボードにコピーされます。 |
書式情報を通知 | NVDA+F | NVDA+F | なし | レビューカーソル位置のテキストの書式情報を通知します。 |
注意: テンキー操作を実行するには、NumLockキーがOffになっている必要があります。
デスクトップ配列における基本的なテキストレビューのコマンドは3行3列の格子で覚えるとよいでしょう。上から下に向かって行、単語、文字、左から右に向かって前、現在、次、の順序で並んでいます。 レイアウトは、次のように表現できます。
前の行 | 現在行 | 次の行 |
前の単語 | 現在の単語 | 次の単語 |
前の文字 | 現在の文字 | 次の文字 |
NVDAのレビューコマンドは、レビューモードを切り替えることで、現在のナビゲーターオブジェクト、現在のドキュメント、画面のいずれかの内容をレビューできます。 レビューモードは以前のNVDAにおけるフラットレビューの改良として導入されました。
以下のコマンドでレビューモードを切り替えます:
名称 | デスクトップ用キー | ラップトップ用キー | タッチ | 説明 |
---|---|---|---|---|
次のレビューモード | NVDA+テンキー7 | NVDA+PageUp | 二本指上フリック | 現在のモードの次の利用可能なレビューモードに切り替えます。 |
前のレビューモード | NVDA+テンキー1 | NVDA+PageDown | 二本指下フリック | 現在のモードの前の利用可能なレビューモードに切り替えます。 |
オブジェクトのレビューモードでは、現在のナビゲーターオブジェクトの内容を確認できます。 エディットフィールドなどの基本的なドキュメントでは、オブジェクトに含まれるテキストを確認します。 その他のオブジェクトでは、名前や値を確認できることもあります。
ナビゲーターオブジェクトの場所が、ウェブページなどのブラウズモードの文書のときや、多くのオブジェクトを含む複雑なオフィス文書(Lotus Symphonyなど)のときには、ドキュメントのレビューモードに切り替えることができます。 ドキュメントのレビューモードでは、文書全体のテキストを確認できます。
レビューモードをオブジェクトからドキュメントに切り替えると、レビューカーソルはその文書のナビゲーターオブジェクトの位置に設定されます。 レビューコマンドで文書の中を移動すると、ナビゲーターオブジェクトはレビューカーソルの位置にあるオブジェクトに自動的に移動します。
ブラウズモードの文書の中を移動するときには、NVDA はレビューモードを自動的にオブジェクトからドキュメントに切り替えます。
画面のレビューモードでは、現在のアプリケーションの画面に表示されているテキストを確認できます。 この機能は他のWindows用スクリーンリーダーの「スクリーンレビュー」「マウスカーソル」と呼ばれる機能に似ています。
画面レビューモードに切り替えると、現在のナビゲーターオブジェクトの画面上の位置にレビューカーソルが設定されます。 レビューコマンドで画面の中を移動すると、ナビゲーターオブジェクトはレビューカーソルの画面位置にある最も階層の深いオブジェクトに自動的に設定されます。
新しいアプリケーションにおいては、NVDA で画面上のテキストの一部またはすべてが確認できないことがあります。これは画面表示に使われている技術が現在のNVDAでは対応できないためです。
NVDAはデフォルトの設定の場合、マウスを動かすと、マウスポインターの直下にあるテキストをその移動に応じて通知します。 サポートされている場合、テキストを段落単位で読むことができますが、一部のコントロールでは1行単位での読み上げしか行えないこともあります。
またNVDAは、 (リストやボタンなどの) マウスが通過したコントロール項目の種類やオブジェクトの種類を通知することもできます。 この機能は、全盲のNVDA利用者がテキストだけでは情報が不十分だと感じるときに利用できるかもしれません。
NVDAは、ビープ音の変化によってマウスポインターが画面上のどこに位置しているかを利用者に通知する機能を持っています。 音程が高くなることでマウスポインターが画面上の上に移動していることを表します。 ビープ音が右より、または左よりに移動することでマウスの左右への移動を表します (利用者がステレオ出力できるスピーカーを使用している場合に有効です) 。
これらの追加機能はデフォルト設定では有効になっていません。 もしこれらの機能を利用したい場合は、NVDAの設定メニューにあるマウス設定ダイアログから動作を変更してください。
マウスによる移動には、物理的なマウスやトラックパッドが使用されるべきですが、NVDAにはマウス関連のコマンドがいくつかあります。
名称 | デスクトップ用キー | ラップトップ用キー | 説明 |
---|---|---|---|
左マウスボタンをクリック | テンキースラッシュ | NVDA+開き角カッコ | 左マウスボタンをクリックします。一般的なダブルクリックはこのキーを素早く2度押すことで実行できます。 |
左マウスボタンロック | Shift+テンキースラッシュ | NVDA+Ctrl+開き角カッコ | 左マウスボタンをロックします。もう一度押すとロックを解除します。ドラッグするにはこのキーで左マウスボタンをロックし、マウスを移動するかマウス移動用コマンドを用いてマウスを移動します。 |
右マウスクリック | テンキーアスタリスク | NVDA+閉じ角カッコ | 右マウスボタンを一度クリックします。 |
右マウスボタンロック | Shift+テンキーアスタリスク | NVDA+Ctrl+閉じ角カッコ | 右マウスボタンをロックします。もう一度押すとロックを解除します。ドラッグするにはこのキーで右マウスボタンをロックし、マウスを移動するかマウス移動用コマンドを用いてマウスを移動します。 |
マウスを現在のナビゲーターオブジェクトに移動 | NVDA+テンキースラッシュ | NVDA+Shift+M | マウスを現在のナビゲーターオブジェクト及びレビューカーソルに移動します。 |
マウス位置のオブジェクトに移動 | NVDA+テンキーアスタリスク | NVDA+Shift+N | ナビゲーターオブジェクトをマウス位置のオブジェクトにセットします。 |
ウェブページのような、複雑で読み込み専用の文書は、NVDAではブラウズモードを用いて閲覧します。 これには、Mozilla Firefox、Microsoft Internet Explorer、Google Chrome、Adobe Reader及びAdobe Flash上のドキュメントが含まれます。
ブラウズモードでは、文書のコンテンツはフラットに表現され、通常のテキスト文書と同じようにカーソルキーを使って移動できます。 このブラウズモードでは、「すべて読み上げ」、「書式の通知」、「テーブル内の移動」といったすべてのNVDAのシステムキャレット用のキーコマンドが使用できます。 テキストが、リンクなのか見出しなのかといった情報は、移動するごとに通知されます。
ときどき、これらのドキュメント内のコントロールを直接操作しなければならないことがあります。 例えば、編集可能なテキストフィールドやリストでは、文字入力やカーソルキーの使用によりコントロールを操作することができます。 この処理は、押されたほとんどのキーを直接コントロールに渡すことのできるフォーカスモードに切り替えることで可能です。 ブラウズモード使用中にTabキーやクリックなどで特定のコントロールに移動した場合、デフォルトではNVDAは必要に応じて自動的にフォーカスモードに変更します。 Tab操作やクリックによってフォーカスモードが必要ない部分に移動した場合は、自動的にブラウズモードに戻ります。 また、変更が必要なコントロール上でEnterやスペースを押した場合もフォーカスモードに変わります。 Escキーを押すとブラウズモードに戻ります。 手動でフォーカスモードを有効にした場合は、手動で無効にするまではその状態が続きます。
名称 | キー | 説明 |
---|---|---|
ブラウズモード/フォーカスモードの切り替え | NVDA+スペース | フォーカスモードとブラウズモード間を切り替えます。 |
フォーカスモードの終了 | Esc | 自動的にフォーカスモードが有効になっていた場合、ブラウズモードに変更します。 |
ブラウズモードドキュメントの更新 | NVDA+F5 | 現在のドキュメントコンテンツを再度読み込みます (ドキュメントの一部が欠落しているような場合に有効です)。 |
検索 | NVDA+Ctrl+F | 入力した文字列を現在のドキュメント内で検索するためにダイアログを開きます |
次を検索 | NVDA+F3 | 同じ検索文字列でドキュメントの後方に向かって検索します。 |
前を検索 | NVDA+Shift+F3 | 同じ検索文字列でドキュメント前方に向かって検索します。 |
詳細説明を開く | NVDA+D | 現在の要素に詳細説明があれば、新しいウィンドウを開いて表示します。 |
より素早い操作を可能とするため、NVDAにはブラウズモード上の特定のフィールドにジャンプするための単一文字による移動コマンドがあります。
以下のキーを単独で押すと次の要素に移動し、Shiftキーを付加すると前の要素に移動します。
コンテナ要素(リストやテーブルなど)の先頭や末尾に移動するには:
名称 | キー | 説明 |
---|---|---|
コンテナの先頭に移動 | Shift+カンマ | キャレットがあるコンテナ要素(リストやテーブルなど)の先頭に移動します。 |
コンテナの末尾に移動 | カンマ | キャレットがあるコンテナ要素(リストやテーブルなど)の末尾に移動します。 |
要素リストから、文書内のリンク、見出し及びランドマークの一覧にアクセスできます。 ラジオボタンを使って、これらのみっつの要素情報を切り替えることができます。 ダイアログには、ページ内の特定の項目を検索するためのフィルターで使用するエディットフィールドもあります。 項目を選択したら、ダイアログ内にあるボタンでその項目に移動するか、項目のアクションを実行できます。
名称 | キー | 説明 |
---|---|---|
ブラウズモードの要素リスト | NVDA+F7 | 現在のドキュメント内のリンク、見出し、ランドマークを含む要素の一覧を表示します。 |
ページには、Adobe Flash や Sun Java のような技術を使ったリッチコンテンツ、アプリケーション、ダイアログが含まれていることがあります。 ブラウズモード内でこれらを検知すると、NVDAは"埋め込みオブジェクト", "アプリケーション", "ダイアログ"と通知します。 そこでEnterキーを押すと、オブジェクトを操作できます。 もしオブジェクトがアクセシビリティの配慮をしていれば、他のアプリケーションと同じようにTabキーで移動して操作できます。 埋め込みオブジェクトを含んでいる元のページに戻るには以下のキー操作を使用します。
名称 | キー | 説明 |
---|---|---|
元のブラウズモードのページに移動 | NVDA+Ctrl+スペース | 現在の埋め込みオブジェクトからフォーカスをはずし、埋め込みオブジェクトを含んでいる元のページに移動します。 |
NVDAには、特定のアプリケーションの特定のタスクを簡単に実行したり、通常はスクリーン・リーダーの利用者がアクセスできない機能にアクセスできるようにするためのアプリケーション固有の追加のコマンドがあります。
名称 | キー | 説明 |
---|---|---|
列見出しの設定 | NVDA+Shift+C | 1回押すと現在の行を列見出しの行として設定します。この行の下で列を移動すると自動的にこの列見出しが通知されます。2回続けて押すと設定をクリアします。 |
行見出しの設定 | NVDA+Shift+R | 1回押すと現在の列を行見出しの列として設定します。この列の右で行を移動すると自動的にこの行見出しが通知されます。2回続けて押すと設定をクリアします。 |
名称 | キー | 説明 |
---|---|---|
発表者ノート読み上げの切り替え | Ctrl+Shift+S | スライドショー実行中に、発表者用ノートとスライド内容を切り替えます。これはNVDAの読み上げだけを切り替えるもので、スクリーンに表示する内容は切り替えません。 |
名称 | キー | 説明 |
---|---|---|
残り時間の通知 | Ctrl+Shift+R | 現在再生中のトラックがある場合、その残り時間を通知します。 |
注意:「残り時間の通知」ショートカットはステータス行の書式がデフォルト設定の場合のみ有効です。
名称 | キー | 説明 |
---|---|---|
最新のメッセージを通知 | NVDA+Ctrl+1-4 | 最新のメッセージの中から、押された数字に該当するメッセージを通知します。例えば、NVDA+Ctrl+2は、2番目に新しいメッセージを通知します。 |
名称 | キー | 説明 |
---|---|---|
コメントウィンドウの通知 | Ctrl+Shift+C | コメントウィンドウ内のすべてのコメントを通知します。 |
自動コメントウィンドウの通知 | Ctrl+Shift+A | 自動コメントウィンドウのすべてのコメントを通知します。 |
ほとんどのNVDAの設定はNVDAメニュー内の設定サブメニューからアクセスできるダイアログボックス内で変更できます。 すべてのNVDAの設定ダイアログでは、OKボタンを押すことで設定が適用できます。 変更をキャンセルするには、キャンセルボタンを押すかEscキーを押してください。 以下の一覧の中のいくつかの設定は、ショートカットキーを用いて変更することもできます。
一般設定ダイアログは、設定メニューの中にあります。 このダイアログには以下のオプションが含まれています。
NVDAのユーザーインターフェースやメッセージをどの言語で表示させるかを選択できるコンボボックスです。 多くの言語が選択できますが、デフォルトのオプションは"User Default, Windows"となっています。 このオプションが選択されていると、NVDAはユーザーが使用しているWindowsのデフォルト言語を使用します。
言語設定を変更したい場合は、NVDAを再起動しなければなりません。 言語設定を変更した場合、NVDAは再起動するかどうかを確認します。 OKボタンを押すとNVDAが再起動します。
このオプションはチェックボックスで、チェックされている場合はNVDA終了時に現在の設定情報を自動的に保存するように指示します。
このオプションはチェックボックスで、NVDA終了前にNVDAを終了するかどうかの確認のダイアログを表示させるかどうかを選択できます。 チェックされている場合、NVDAを終了しようとしたときに、終了するかの確認ダイアログが表示されます。
これはコンボボックスで、NVDAがどの程度の実行記録を行うかを設定します。 一般的には、冗長な記録を行わないために、利用者はこの設定を変更すべきではありません。 しかしながら、このオプションは利用者がバグ報告を行う場合に有効です。
このオプションが有効な場合、NVDAはWindowsへのログオン後に自動的に開始されます。 このオプションはインストールされたNVDAでのみ有効です。
もしユーザー名とパスワードを指定してWindowsにログオンしている場合、このオプションを有効にすることでNVDAをWindows起動時のログオン画面で自動的に開始できます。 このオプションはインストールされたNVDAでのみ有効です。
このボタンを押すと、現在保存されているNVDAのユーザー設定をNVDAのシステムディレクトリーにコピーし、NVDAがログオンやユーザーアクセスコントロール (UAC) 、その他のセキュアスクリーンで使用できるようにします。 すべての設定を確実にコピーするため、最初にNVDA+Ctrl+CまたはNVDAメニュー内の設定情報の保存を実行してください。 このオプションはインストールされたNVDAでのみ有効です。
このオプションを有効にすると、NVDAは新しいバージョンが入手できるかどうかを自動的に確認し、それを通知します。 NVDAメニュー「ヘルプ」の「更新のチェック」を使って手動で更新のチェックをすることもできます。
設定メニューの中の"音声エンジン"で表示される音声エンジンダイアログでは、NVDAがどの音声エンジンを使って読み上げを行うかを選択できます。 音声エンジンを選択してOKボタンを押すと、NVDAは選択された音声エンジンを読み込みます。 もし音声エンジンの読み込みに失敗した場合、NVDAはメッセージでそれを通知し、前に使用していた音声エンジンを使用します。
このオプションでは、NVDAが音声出力に使用する音声エンジンを選択できます。
NVDAでサポートされている音声エンジンの一覧は、サポートされている音声エンジンセクションを参照してください。
唯一、いつでもこの一覧にある特別な項目は"音声なし"で、これによりNVDAを音声出力なしで使用できます。 この項目は、NVDAを点字出力のみで使用する方や、もしかしたら晴眼者がNVDAのスピーチビューワーを使用する際に有効かもしれません。
このオプションでは、NVDAが選択された音声エンジンを使って読み上げを出力するサウンドカードを選択できます。
設定メニュー内の音声設定ダイアログでは、読み上げ音声に関するオプションが変更できます。 どこからでも簡単に音声設定を変更する方法につきましては、簡単音声設定のセクションを参照してください。
音声設定ダイアログには以下のオプションが含まれています。
このダイアログの最初のオプションは、現在選択されている音声エンジンにインストールされている音声の一覧のコンボボックスです。 矢印キーを使ってすべての音声の種類を聞くことができます。 左と上矢印は、リスト項目を上に移動し、右と下矢印は、リスト項目を下に移動します。
NVDAに同梱されているeSpeakでは、このコンボボックスで声色を選択できます。 声色は音声と似ていますが、eSpeakの音声とは違った属性の変化を提供します。 声色のいくつかは男性のような音だったり、他のいくつかは女性に似ていたり、蛙に似ている音もあります。
このオプションで音声の速さを変更できます。 0から100の間を移動するスライダーで、0はもっとも遅く100はもっとも早い値を示します。
このオプションで音声の高さを変更できます。 0から100の間を移動するスライダーで、0は最も低く、100はもっとも高い値を示します。
このオプションは0から100の間を移動するスライダーで、0がもっとも低く、100がもっとも高い値を示します。
このオプションはスライダーで、音声エンジンがどれだけの抑揚で話すかを設定できます (なお、現在このオプションに対応しているのはeSpeakだけです) 。
このチェックボックスで、読み上げようとしているテキストに言語の指定がある場合、NVDAに音声エンジンの言語を自動的に切り替えさせるかどうかを変更できます。 このオプションはデフォルトで有効です。 現在この自動言語切り替えは、eSpeakでのみサポートされています。
もし自動言語切り替えが有効な場合、このチェックボックスで言語だけでなく、方言を自動的に切り替えるかどうかを選択できます。例えば、アメリカ英語の音声を使用中でドキュメントの一部にイギリス英語が指定されていた場合、この機能はシンセサイザーのアクセントを切り替えます。 このオプションはデフォルトでは無効です。
キー: NVDA+P
このオプションでは、句読点及び記号を単語として読み上げる際のレベルを変更できます。 もし「すべて」が選択されていれば、すべての記号が単語として読み上げられます。 このオプションは現在使用中の音声エンジンだけでなく、すべての音声エンジンに対して有効です。
このエディットフィールドでは大文字を読み上げる際の高さの変化率を指定します。 値はパーセントで指定し、負の値を指定すると大文字の高さは小文字よりも低くなりますし、正の値を指定すると高くなります。 高さを変更したくない場合は、0を指定してください。
この設定はチェックボックスで、チェックされている場合はNVDAに大文字の前に"キャップ"と読むように指示します。 通常、NVDAはすべての大文字に対して音声のピッチを上げますが、一部の音声エンジンではそれが十分機能しないので、このオプションが有効かもしれません。
このチェックボックスがチェックされていると、NVDAは大文字で書かれた文字を検出するたびに小さなビープ音を鳴らします。 大文字の前にキャップと読むチェックボックスのように、この設定も、大文字に対して音声の高さを変更できない音声エンジンを使用している場合に有効です。
1文字で構成されているような単語がありますが、その発音は文字自身が個々の文字として発音されるか、単語として発音されるかによって異なります。 例えば英語では、"a"は文字でもあり単語でもあります。 このオプションにより、もし音声エンジンがサポートしている場合は、これらのふたつの場合を区別することができます。 ほとんどの音声エンジンでこの機能はサポートされています。
一般的に、このオプションは有効にしておくべきです。 しかしながら、Microsoft Speech API用の音声エンジンの中にはこの機能を正確に実装していないものがあり、この機能が有効な時に奇妙な動作をすることがあります。 個々の文字の発音に問題がある場合は、このオプションを無効にしてください。
音声設定ダイアログを開くことなく、簡単に音声に関する項目を変更したい場合、NVDA起動中であればどこからでも使用できるいくつかの音声に関するコマンドがあります。
名称 | デスクトップ用キー | ラップトップ用キー | 説明 |
---|---|---|---|
次の音声設定に移動 | NVDA+Ctrl+右矢印 | NVDA+Shift+Ctrl+右矢印 | 現在の項目の次にある音声設定項目に移動します。最後まで移動した場合は最初の設定項目に戻ります。 |
前の音声設定に移動 | NVDA+Ctrl+左矢印 | NVDA+Shift+Ctrl+左矢印 | 現在の項目より前にある音声設定項目に移動します。最初まで移動した場合は最後の設定項目に戻ります。 |
現在の音声設定を増加 | NVDA+Ctrl+上矢印 | NVDA+Shift+Ctrl+上矢印 | 現在アクティブな音声設定の値を増加します。例えば、速さを増加したり、次の音声を選択したり、音量を上げたりします。 |
現在の音声設定を減少 | NVDA+Ctrl+下矢印 | NVDA+Shift+Ctrl+下矢印 | 現在アクティブな音声設定の値を減少します。例えば、速度を減少したり、前の音声を選択したり、音量を下げたりします。 |
点字設定ダイアログは、設定メニューの中の点字設定オプションから開くことができます。
点字設定ダイアログの中の最初のオプションは、"点字ディスプレイ"です。 システム上で利用可能な点字ディスプレイドライバーに応じて、いくつかのオプションが表示されます。 矢印キーを使ってオプション間を移動してください。
点字なしは、点字ディスプレイを使用しないことを意味します。
サポートされている点字ディスプレイの一覧は、サポートされている点字ディスプレイセクションを参照してください。
このオプションが有効のとき、選択された点字ディスプレイとの通信を行うポートや接続方法を選ぶことができます。 このコンボボックスには点字ディスプレイとの接続についての選択肢が表示されます。
NVDAの初期設定では、ポートの自動選択が試みられます。つまり、システムにUSBやブルートゥースで接続された機器をスキャンして、点字ディスプレイとの通信方法が見つかれば接続を行います。 しかし、点字ディスプレイによっては、ユーザーがポートを手動で設定することができます。 通常は"自動選択"(初期設定のポート自動選択をNVDAが行います)、"USB"、"ブルートゥース"を選択できます。また、接続された機器が対応していればシリアル通信ポートを選択できます。
点字ディスプレイが自動ポート選択だけに対応している場合には、このオプションは無効になります。
お使いの点字ディスプレイが対応している接続方法やポート選択方法については、 サポートされている点字ディスプレイ の各項目もお読みください。
次のオプションは点字出力テーブルを選択するコンボボックスです。 このコンボボックスでは、言語、点訳規則、グレードを点字変換テーブルによって選択できます。 選択されたテーブルは、テキストを点字ディスプレイの出力に変換するために使われます。 リストの中のテーブル項目は矢印キーで移動できます。
出力テーブルの次のオプションは、点字入力テーブルを選択するコンボボックスです。 点字ディスプレイのパーキンス型キーで入力された点字を入力文字に変換するときにこの入力テーブルが使われます。 NVDAは現在コンピューター点字の入力だけをサポートしているので、8点コンピューター点字のテーブルだけが表示されます。 リストの中のテーブル項目は矢印キーで移動できます。
このオプションは、お使いの点字ディスプレイがパーキンス型キーを備えていて、機器のドライバーが入力に対応している場合のみ有効です。 パーキンス型キーを備えているディスプレイであってもドライバーが文字入力に対応していない場合は サポートされている点字ディスプレイ で説明します。
このオプションは、カーソル位置の単語を略字ではないコンピューター点字として表示できるようにします。
このオプションは数値フィールドで、カーソルの点滅速度をミリ秒単位で変更できます。
このオプションは数値フィールドで、NVDA のメッセージを点字ディスプレイ上に何秒間表示するかを制御できます。 この値を 0 にするとメッセージは表示されません。
キー: NVDA+Ctrl+T
このオプションでは、点字表示がシステムフォーカスまたはナビゲーターオブジェクト/レビューカーソルのどちらに追従するかを変更できます。
有効な場合、点字は行ごとではなく段落ごとに表示されます。 また、次及び前の行への移動コマンドも段落ごとに移動するようになります。 これにより、それぞれの行末に到達した場合で、より多くのテキストがディスプレイにフィットする際、スクロールする必要がなくなります。 これは、より多くのテキストを早く読みたい時に有効です。 この機能はデフォルトでは無効化されています。
このダイアログボックスは、設定メニュー内の"キーボード設定..."にあります。 ここには、以下のオプションが含まれています。
このコンボボックスでは、NVDAでどのキーボードレイアウトを使用するかを選ぶことができます。現在、NVDAにあるのはデスクトップとラップトップレイアウトです。
このチェックボックスがチェックされている場合、Caps LockキーがNVDAキーとして動作します。
このチェックボックスがチェックされている場合、Insertキー (通常は矢印キーの上のHomeキーやEndキーの近くにあります) をNVDAキーとして使用することができます。
このチェックボックスがチェックされている場合、テンキー上のInsertキーをNVDAキーとして使用することができます。
キー: NVDA+2
有効な場合、NVDAはキーボードから入力されたすべての文字を読み上げます。
キー: NVDA+3
有効な場合、NVDAは入力されたすべての単語を読み上げます。
チェックありの場合、文字入力のキーが押されると音声読み上げを中断します。この設定は初期状態で有効です。
チェックありの場合、エンターキーが押されると音声読み上げを中断します。この設定は初期状態で有効です。
有効な場合、Caps Lockがオンの状態でShiftキーとともに文字キーが押されたら、警告のためのビープ音を鳴らします。 一般的に、Caps Lock状態でShiftキーを押して文字入力を行うことはなく、意図的でない限りCaps Lockがオンであることに気が付いていないような場合です。 したがって、この機能はそれを知るための警告として役立ちます。
キー: NVDA+4
有効な場合、NVDAは文字以外のキーの名称を読み上げます。このキーの名称には、Ctrlキーとその他のキーのようなキーの組み合わせも含まれます。
マウス設定ダイアログは、設定メニューの"マウス設定..."の中にあります。 この中には以下のオプションが含まれています。
このチェックボックスがチェックされていると、NVDAはマウスポインターの形状が変化するたびにそれを通知します。 Windowsのマウスポインターは、例えば編集可能や読み込み中のように、その変化で情報を表すことがあります。
キー: NVDA+M
有効な場合、NVDAはスクリーン内での移動に伴ってマウスポインターが重なったテキストを読み上げます。これにより、マウスを直接動かすか、オブジェクトナビゲーションを用いてスクリーン上にある物を探すことができます。
もしNVDAがマウス位置のテキストを通知するように設定されていれば、このオプションではマウス移動時のテキストの読み上げ範囲を選択できます。 オプションは、文字、単語、行、段落の中から選択できます。
このチェックボックスがチェックされていると、NVDAはマウスが重なったオブジェクトのロール (種類) を通知します。
このチェックボックスをチェックすると、NVDAはマウスの移動をビープ音で通知します。それにより、利用者はマウスポインターが画面上のどこに位置しているかを知ることができます。
'マウス移動時ビープ音で通知'のチェックボックスがチェックされていて、このチェックボックスをチェックした場合、ビープ音のボリュームは、画面上でマウスポインターのある場所の明るさによって制御されます。 この機能はデフォルトではチェックされていません。
設定メニュー内のレビューカーソルダイアログには以下のオプションが含まれています。
キー: NVDA+7
有効な場合、レビューカーソルはいつでも現在システムフォーカスがあるオブジェクトに追従して変化します。
キー: NVDA+6
有効な場合、レビューカーソルは自動的にシステムキャレットが移動した位置へ移動します。
有効な場合、レビューカーソルはマウスの動きに追従します。
有効な場合、NVDAはユーザーに無関係なオブジェクト(非表示およびレイアウト用のオブジェクト)を除外して、ナビゲート可能なオブジェクトだけを抽出します。
このダイアログボックスには、設定メニューの中の"オブジェクトの通知設定..."からアクセスすることができます。 このダイアログボックスには、以下のオプションが含まれています。
チェックされている場合、NVDAはツールチップが表示されたときにその内容を読み上げます。 多くのWindowsのコントロールは、マウスポインターをそれらに重ねたり、それらにフォーカスしたりしたとき、簡単なメッセージ (またはツールチップ) を表示します。
このチェックボックスがチェックされている場合、NVDAはバルーン情報が表示されたときにその内容を通知します。 バルーン情報はツールチップに似ていますが、サイズはやや大きく、ネットワークケーブルが接続されていないとか、Windowsのセキュリティ上の問題の通知といった、システムのイベントに関連付けられています。
このチェックボックスがチェックされている場合、NVDAはオブジェクトやコントロールなどを読み上げる際、関連付けられているショートカットキーを含んで読み上げます。 例えば、メニューバーのファイルメニューには、Alt+Fというショートカットキーがある場合があります。
このオプションがチェックされている場合、オブジェクトにフォーカスしたり、オブジェクトナビゲーションで移動したときに、位置情報を (例えば1の4のように) 通知します。
オブジェクトの位置情報を通知するオプションが有効な場合で、その情報を取得できないとき、このオプションはNVDAが特定のオブジェクトの位置情報を推測できるようにします。
オンの時、NVDAはメニューやツールバー等のより多くのコントロールの位置情報を通知しますが、その情報はわずかに不正確な場合があります。
オブジェクトとともに読み上げられる説明が必要ない場合は、このチェックボックスのチェックを解除してください。
キー: NVDA+U
このオプションはプログレスバーの更新をどのように通知するかを設定します。
以下のようなオプションがあります。
このオプションがチェックされているとき、NVDAは物理的に前面に表示されていないウィンドウであってもプログレスバーの変化の状況を通知し続けます。 もしプログレスバーのあるウィンドウを最小化したり、離れたりしたとしても、NVDAはそのウィンドウの追跡を続けるので、プログレスバーの進行中に他の作業をすることができます。
キー: NVDA+5
ターミナルやチャットプログラムの履歴など、特定のオブジェクトに対する新しいコンテンツの通知方法を切り替えます。
設定メニューから入力メソッド設定のダイアログを開くことができます。 これは IME またはテキストサービスに対応したアジア言語の文字入力を NVDA が通知するための設定です。 入力メソッドは種類によって対応している機能や通知する情報が違います。入力メソッドごとに最適な使い勝手にするために、この設定を変更する必要があることをご理解ください。
このオプションは既定値で有効です。候補リストが表示されたり更新されたりしたときに、全ての候補を読み上げる機能です。 これは漢字の字形要素を使う中国語入力システム(New ChangJie, Boshiami)で有用です。すべての候補文字を音声で確認し、数字キーで選択できるからです。 しかし発音を使う中国語入力システム(New Phonetic)では、このオプションは無効にしたほうがよいでしょう。なぜなら全ての文字が同じように読み上げられてしまうからです。このような場合は、候補を矢印キーで選択して、詳細説明を聞いてください。
このオプションは既定値で有効です。NVDAが変換候補を通知するタイミングを、候補リストが表示されたとき、または、候補が選択されたときの、どちらにするかを変更できます。 この設定は、矢印キーで候補選択をする入力メソッド(中国語 New Phoneticなど)では有効にしてください。しかし、入力メソッドによっては、この設定を無効にしたほうが効率的に入力できます。 このオプションが無効のときにも、レビューカーソルは選択された候補の位置にあるので、オブジェクトナビゲーションやレビューの操作によって、選択中の候補や前後の候補を確認できます。
このオプションは既定値で有効です。NVDAが候補の通知で各文字の説明を使うかどうかを変更できます。これは、候補が選択された場合と、候補リストが表示されて自動的に通知される場合の両方についての設定です。 ただし、中国語などの言語では、このオプションとは無関係に、候補の通知で複数の用例を使う文字説明が使われます。 このオプションは韓国語や日本語の入力メソッドにおいて役立ちます。
入力メソッドによっては読み文字(プレコンポジション文字)が存在します。例えば中国語の New Phonetic や New ChangJie などです。 このオプションは NVDA が読み文字の入力を通知するかどうかを制御します。 このオプションは既定値で有効です。 中国語の ChangJie など旧式の入力メソッドでは、プレコンポジション文字を管理するために、読み文字を使わず、コンポジション領域を使います。コンポジションの通知の設定については次の項目を参照してください。
多くの入力メソッドでは、読み文字やプレコンポジション文字から変換された表意文字を、一時的にコンポジション領域に追加し、それから文書に挿入します。 このオプションはコンポジションに追加された文字をNVDAが通知をするかどうかを変更できます。 このオプションは既定値で有効です。
ブラウズモードの設定ダイアログは、設定メニュー内の"ブラウズモード..."にあります。
ダイアログには以下のオプションがあります。
このフィールドでは、ブラウズモードの1行の長さを (文字数で) 指定します。
このフィールドでは、ブラウズモード内でPageUpやPageDownを押したときに移動する行数を指定します。
キー: NVDA+V
このオプションでは、ブラウズモード内のコンテンツがリンクやその他のフィールドをそれぞれ独立した行として表示するか、画面に表示されているのと同じようにリンクなどをテキストどおりに表示するかを設定できます。有効な場合は画面に表示されているのと同じように表現し、無効な場合はフィールドはそれぞれ個別の行として表現されます。
このチェックボックスは、ブラウズモード内でページが読み込まれた際にそれを自動で読み上げるかどうかを切り替えます。 このオプションは既定値で有効です。
このオプションはレイアウト目的で使われているテーブルをNVDAがどう扱うかを制御します。 有効にすると、NVDA はレイアウト用のテーブルを普通のテーブルとして扱います。書式情報の設定が使われ、クイックナビゲーションの移動コマンドが使えます。 無効にすると、レイアウト用のテーブルは通知されなくなり、クイックナビゲーションでの移動もできません。 しかし、レイアウト用テーブルの内容は普通のテキストとして出力に含まれます。 このオプションは既定値で無効です。
リンク、見出し、テーブルといった、移動中に読み上げられるフィールド種別の設定につきましては、書式情報を参照してください。
このオプションは、フォーカスが変化した場合にフォーカスモードを呼び出すかどうかを設定します。 例えば、オプションが有効でWebページにいるときに、Tabキーを押し、もしフォームがフォーカスされたら自動的にフォーカスモードが呼び出されます。
このオプションがチェックされている場合、NVDAは矢印キーの移動に応じてフォーカスモードに入ったり、フォーカスモードから出たりします。 例えば、Webページの中で下矢印キーで読み進んでいてエディットボックスに到達した場合、NVDAは自動的にフォーカスモードを有効にします。もし、上矢印キーを押してエディットボックスから出ると、NVDAはブラウズモードに戻ります。
このオプションが有効な場合、NVDAは音声による通知ではなく、特別な音によってフォーカスモードとブラウズモードが切り替えられたことを通知します。
このダイアログボックスは、設定メニューの中の、"書式設定..."にあります。
ほとんどのチェックボックスは、ドキュメント内で移動するときにどの書式を自動的に読み上げるかを設定するために使用します。 例えば、フォント名の通知のチェックボックスをチェックしている場合、違うフォントを使用しているテキストに移動するたびにフォント名を通知します。
以下の通知方法を変更することができます。
この設定が有効な場合、NVDAのパフォーマンスが低下したとしても、すべての書式の変化を取得して通知します。
デフォルトでは、NVDAはすべてのシステムキャレット及びレビューカーソルの書式情報を取得し、その一部をNVDAのパフォーマンスが低下しない範囲で通知します。
この機能は、Microsoft Wordでの文章校正など、書式情報が重要な場合は有効にしてください。
設定メニューの中の読み上げ辞書メニューには、NVDAが特定の単語やフレーズをどのように読み上げるかを設定できるダイアログがあります。 現在のところ、3種類の読み上げ辞書が用意されています。
すべての辞書のダイアログには、読み上げの過程で使用される読み方の一覧が含まれています。 ダイアログにはまた、追加、編集及び削除ボタンがあります。
辞書に新しい読み方を追加するには、追加ボタンを押し、出てきたダイアログのフィールドに入力し、最後にOKを押してください。 作成した読み方が、読み方の一覧に表示されます。 実際に読み方を保存するために、追加や編集が終了したら、OKボタンを押して辞書ダイアログを終了してください。
NVDAの読み上げ辞書の読み方は、ひとつの文字列の読み方をほかのものに変更します。 簡単な例として、NVDAが「鳥」と読み上げるべき単語を、毎回「蛙」と読ませることができます。 簡単にこれを実現するには、読み方を追加するダイアログで、"鳥"という単語をパターンのフィールドに入力し、置き換えフィールドに"蛙"と入力します。 また、説明フィールドに、「鳥を蛙に変更」といったような説明を入力することもできます。
NVDAの読み上げ辞書は、単純な単語の読み替えとは違い、より強力です。 追加のダイアログには、読み方が大文字と小文字を区別するかどうかを示すチェックボックスがあります。 NVDAは、デフォルトでは大文字小文字を区別しません。 もうひとつのチェックボックスは、置き換えるパターンが正規表現かどうかを指定します。 正規表現では、特別な文字を含んだパターンが、文字列にマッチしているか、または数値だけにマッチしているか、または文字だけにマッチしているかを調べることができます。 このユーザーガイドでは正規表現について詳しく解説していませんが、Web上にはより詳しい情報がたくさんあります。
このダイアログでは、句読点やその他の記号をどのように読ませるかを、記号の読み上げレベルとともに変更できます。
記号の読み方を変更するには、まず最初に記号一覧から読み方を変更したい記号を選択してください。 置き換えフィールドでは、その記号が現れるたびに、それをどう読み上げさせるかを変更できます。 レベルフィールドでは、この記号を読ませたい最低レベルを選択できます。
設定が終了したら、OKボタンを押して変更を保存するか、キャンセルボタンで破棄してください。
NVDAは自動的に変更された設定項目を保存します。 しかしながら、この設定は、設定メニュー内の一般設定ダイアログ内のオプションで変更することができます。 設定の保存を自動で行わないようにするには、NVDAメニューの中の"設定情報の保存"を変更してください。
もしも設定に失敗して、すでに保存されている設定状態に戻さなければならなくなった場合は、NVDAメニューの中の"保存された設定に戻す"という項目を選択してください。 また、設定をリセットしてNVDAがインストールされた直後と同じ状態に戻すには、"設定のリセット"を選択してください。これもNVDAメニューの中にあります。
以下のNVDAキーボードコマンドも便利です。
名称 | デスクトップ用キー | ラップトップ用キー | 説明 |
---|---|---|---|
設定の保存 | NVDA+Ctrl+C | NVDA+Ctrl+C | 現在の設定を保存してNVDA終了後も設定が消えないようにします。 |
設定を戻す | NVDA+Ctrl+R | NVDA+Ctrl+R | 一度押すと設定を前回保存した値に戻します。3回押すと設定を初期状態に戻します。 |
ポータブル版のNVDAは、すべての設定項目、カスタムアプリケーションモジュール及びカスタムドライバーを、NVDAディレクトリー内のuserConfigというディレクトリーに保存します。
インストール版のNVDAでは、すべての設定項目、カスタムアプリケーションモジュール及びカスタムドライバーを、Windowsのユーザープロファイル内の特別なNVDAディレクトリー内に保存します。 つまり、そのシステムを使用しているすべての利用者が、個別のNVDA設定を保持することができるのです。 インストール版のNVDAで、現在のユーザー用のNVDA設定ディレクトリーを開くには、スタートメニューの[プログラム] -> [NVDA] -> [ユーザー設定ディレクトリーを開く]の順に進んでください。
ログオンまたはUACスクリーンを読み上げるNVDA用の設定は、NVDAをインストールしたディレクトリー内のsystemConfigにあります。 通常、この設定は手動で変更しないでください。 ログオンまたはUACスクリーン上のNVDAの設定を変更したい場合は、いったん現在起動中のNVDAを使ってログオンウィンドウ用のNVDA向けの設定を作って保存した後、一般設定ダイアログ内の"現在保存されている情報をログオンまたはその他のセキュアスクリーンで使用する"ボタンを使用して設定をコピーしてください。
NVDAメニュー内のツール内にあるログビューワーでは、最後にNVDAを起動したときから現在までに記録されたすべてのログを閲覧できます。
コンテンツを読むだけでなく、ログファイルを保存したり、ビューワーを更新することができるので、ログビューワーを開いた後からも最新の出力を得ることができます。 これらのオプションは、ビューワーのログメニューから利用できます。
目の見える開発者や、目の見える聴衆にNVDAのデモを行うときのために、NVDAが現在読み上げているすべてのテキストを表示できるフローティング・ウィンドウがあります。
スピーチビューワーを有効にするには、NVDAメニュー内のツールにある項目、"スピーチビューワー"をチェックしてください。 無効にするにはこのチェックを外してください。
スピーチビューワーが有効な間は、読み上げられる最新のテキストにより更新され続けます。 しかし、ビューワーの内部をクリックまたはフォーカスすると、NVDAは一時的にテキストの更新を停止するため、簡単に既存のコンテンツを選択したりコピーすることができます。
アドオン マネージャーはNVDAのアドオンパッケージをインストールまたはアンインストールできる機能です。NVDAメニューの「ツール」「アドオンの管理」から実行できます。 これらのアドオン パッケージはコミュニティによって提供されます。NVDAの機能を追加・変更するアドオンや、点字ディスプレイや音声合成エンジンのドライバーを追加するアドオンがあります。
アドオンマネージャーにはリストがあり、この中には現在のNVDAのユーザー設定でインストール済みのアドオンが表示されています。 それぞれのアドオンについて、パッケージの名前、バージョン、作者が表示されます。アドオンの詳しい説明やURLなどの追加情報を見るには、そのアドオンを選択し「このアドオンについて」ボタンを押してください。
オンラインで入手できるアドオンを探してインストールするには、「アドオンを入手」ボタンを押してください。 このボタンを押すと NVDA アドオンのページ を開きます。 インストールされた NVDA を使っている場合は、ブラウザからダウンロードしたアドオンファイルを開くと、後述するインストールが始まります。 ポータブル版 NVDA を使っている場合は、アドオンのパッケージファイルを保存して、後述する手順でインストールしてください。
入手済みのアドオンファイルをインストールするには「インストール」のボタンを押してください。 アドオンパッケージ(拡張子 .nvda-addonのファイル)を選択する画面が表示されます。ここでコンピューターの中のファイルの場所またはネットワーク上の場所を指定してください。 「開く」を押すと、インストールの手順が始まります。
アドオンをインストールする手順の最初に、本当にそのアドオンをインストールしてよいか、NVDAからの確認が表示されます。 アドオンはNVDAの機能に制限なくアクセスできます。もしインストールされた環境でNVDAを使っていれば、アドオンはあなたの個人情報やシステム全体にアクセスできます。ですから、信頼できる作者のアドオンだけをインストールしてください。このことはとても重要です。 アドオンをインストールした後でアドオンの実行を開始するためには、NVDAを再起動する必要があります。 再起動されるまで、そのアドオンは「インストール」の状態でリストに表示されます。
アドオンを削除するには、リストからアドオンを選択し、「削除」ボタンを押してください。 本当に削除を行ってよいかどうか、NVDAからの確認が表示されます。 インストールと同様に、アドオンを完全に削除するためにはNVDAを再起動する必要があります。 再起動されるまで、そのアドオンは「削除」の状態でリストに表示されます。
アドオン マネージャーを閉じるには「閉じる」ボタンを押してください。 アドオンを追加または削除した場合は、その変更を有効にするためにNVDAを再起動するかどうかの確認が行われます。
従来のバージョンのNVDAでは、プラグインやドライバをNVDAのユーザー設定ディレクトリにコピーすることで機能拡張ができました。 このバージョンでも従来の形式のプラグインは読み込まれますが、アドオン マネージャーには表示されません。 同じ機能がアドオンで入手できるようになったら、従来の形式のプラグインファイルを削除してアドオンに移行することをお勧めします。
NVDAメニュー内のツールにあるPythonコンソールは開発用のツールで、デバッグや一般的なNVDA内部の動作検証、アプリケーションのアクセシビリティ階層構造の検査などに使用できます。 詳細は、NVDA Webサイトの開発者向けセクションを参照してください。
この項目をアクティベートすると、アプリケーションモジュールとグローバルプラグインをNVDAを再起動することなく再読み込みできます。これは開発者にとって便利です。
この章では、NVDAでサポートされている音声エンジンについて述べます。 NVDAで利用可能な無料及び有料の音声エンジンの購入及びダウンロード方法の詳細については、 http://www.nvda-project.org/wiki/ExtraVoicesを参照してください。
音声エンジンeSpeakはNVDAに内蔵されているので、追加のドライバーやコンポーネントをインストールする必要はありません。 NVDAはデフォルトで、このeSpeakを使用して起動します。 この音声エンジンはNVDAに同梱されているので、別のシステム上でUSBメモリーからNVDAを実行するときには良い選択です。
eSpeakの各音声は、異なる言語で話すことができます。 eSpeakでは、43ヶ国語以上の言語をサポートしています。
また、音質の代替として、多くの声色を選択できます。
SAPI 4は、Microsoftの古い音声エンジン向けの標準規格です。 この規格に対応した多くの音声エンジンは、複数のメーカーやWebサイトから購入もしくは無料で入手できるかもしれません。 NVDAでこの規格を使用する場合、利用可能な音声 (音声設定や簡単音声設定からアクセスできます) には、システムにインストールされていて利用可能なすべてのSAPI 4の音声が含まれています。
もしSAPI 4用の音声をインストールしているにも関わらず、音声エンジンがNVDAの音声エンジンダイアログに表示されない場合は、SAPI 4.0 runtime binariesをインストールしてください。
SAPI 5はMicrosoftの音声エンジン向けの標準規格です。 この規格に対応した多くの音声エンジンは、複数のメーカーやWebサイトから購入もしくは無料で入手できる他、少なくともひとつ以上の音声がすでにシステムにプリインストールされています。 NVDAでこの規格を使用する場合、利用可能な音声 (音声設定や簡単音声設定からアクセスできます) には、システムにインストールされていて利用可能なすべてのSAPI 5用の音声が含まれています。
Microsoft Speech Platformでは、通常はサーバーベースの読み上げアプリケーション開発に使用されるような多くの言語の音声が提供されています。 これらの音声はNVDAでも使用できます。
これらの音声を使用するには、ふたつのコンポーネントをインストールしてください。
これは、イタリア語向けの商用音声エンジンです。 この音声エンジンをNVDAで使用するには、システムにインストールする必要があります。 詳細については、Audiologic社のWebサイト、www.audiologic.itを参照してください。
この音声エンジンは、スペル読み機能をサポートしていません。
NewfonはSergey Shishmintzev氏作の無料の商用音声エンジンで、ロシア語とウクライナ語をサポートしています。 この音声エンジンをダウンロードするには、ロシア語向けのNVDAコミュニティーサイトのダウンロードセクション、http://ru.nvda-community.org/?page_id=10を参照してください。
この音声エンジンは、スペル読み機能をサポートしていません。
Nuance Vocalizer はニュアンス・コミュニケーションズ社の商用の高品質音声エンジンです。Tiflotecnia, Lda はこのエンジンをNVDA用のパッケージにしました。 このエンジンには50以上の音声を追加でき、30以上の言語を合成できます。 音声エンジンと追加の音声はNVDAのアドオンとして提供され、ポータブル版のNVDAでもすべての機能を使用できます。
Nuance Vocalizer for NVDA の詳しい情報と購入方法は、ウェブサイト www.vocalizer-nvda.com をお読みください。 この製品の売り上げの一部は NVDA スクリーンリーダーの開発を支援するために NV Access に寄付されます。
この章では、NVDAでサポートされている点字ディスプレイについて述べます。
すべてのUSBまたはbluetooth接続されたFreedom Scientific社製のFocus及びPAC Mateディスプレイをサポートしています。 使用するには、Freedom Scientific社製の点字ディスプレイ用ドライバーが必要です。 お持ちでない場合は、http://www.freedomscientific.com/downloads/focus-40-blue/focus-40-blue-downloads.aspから入手できます。 このページではFocus 40 Blueディスプレイにしか言及していませんが、これらのドライバーはすべてのFreedom Scientific社製のディスプレイをサポートしています。 64ビット版Windowsが実行されていて、ドライバーがすでに他のスクリーン・リーダーによってインストールされている場合であっても、他のスクリーン・リーダーがNVDAに必要なファイルをインストールしていない可能性もあるため、このリンク先にあるドライバーをインストールする必要があるかもしれません。
NVDAの初期設定では、NVDA はUSBまたはブルートゥースによる接続を自動選択します。 しかし点字設定で "USB" または "ブルートゥース" を選ぶことで、接続方法を限定することができます。 例えばブルートゥースで Focus ディスプレイと通信しながら、充電のために USB ポートをつなぎたいときに役立ちます。
以下は、これらのディスプレイ上で使用できるNVDA用のキー割り当てです。 各キーの位置については、ディスプレイの説明書を参照してください。
名称 | キー |
---|---|
点字表示を後にスクロール | タッチカーソル1 (ディスプレイの最初のセル) |
点字表示を前にスクロール | タッチカーソル20/40/80 (ディスプレイの最後のセル) |
点字表示を後にスクロール | 左アドバンスバー |
点字表示を前にスクロール | 右アドバンスバー |
点字セル移動モードの切り替え | 左GDFボタン+右GDFボタン |
左ウィズホイール動作の切り替え | 左ウィズホイールを押す |
左ウィズホイールの動作を使用して戻る | 左ウィズホイールを上に移動 |
左ウィズホイール動作を使用して進む | 左ウィズホイールを下に移動 |
右ウィズホイール動作を切り替え | 右ウィズホイールを押す |
右ウィズホイール動作を使用して戻る | 右ウィズホイールを上に移動 |
右ウィズホイールの動作を使用して進む | 右ウィズホイールを下に移動 |
点字セルに移動 | タッチカーソル |
バックスペースキー | 7の点 |
Enter キー | 8の点 |
Shift+Tab キー | スペース+1の点+2の点 |
Tab キー | スペース+4の点+5の点 |
上矢印キー | スペース+1の点 |
下矢印キー | スペース+4の点 |
Control+左矢印キー | スペース+2の点 |
Control+右矢印キー | スペース+5の点 |
左矢印キー | スペース+3の点 |
右矢印キー | スペース+6の点 |
Home キー | スペース+1の点+3の点 |
End キー | スペース+4の点+6の点 |
Control+Home キー | スペース+1の点+2の点+3の点 |
Control+End キー | スペース+4の点+5の点+6の点 |
Alt キー | スペース+1の点+3の点+4の点 |
Alt+Tab キー | スペース+2の点+3の点+4の点+5の点 |
Escape キー | スペース+1の点+5の点 |
Windows キー | スペース+2の点+4の点+5の点+6の点 |
スペースキー | スペース |
Windows+D キー (すべてのアプリケーションを最小化) | スペース+1の点+2の点+3の点+4の点+5の点+6の点 |
現在の行を通知 | スペース+1の点+4の点 |
NVDA メニュー | スペース+1の点+3の点+4の点+5の点 |
ロッカーバーキーがついている新しい Focus (Focus 40, Focus 80 および Focus Blue):
名称 | キー |
---|---|
点字表示を前の行に移動 | 左ロッカーバー上, 右ロッカーバー上 |
点字表示を次の行に移動 | 左ロッカーバー下, 右ロッカーバー下 |
Focus 80 のみ:
名称 | キー |
---|---|
点字表示を後にスクロール | 左バンパーバー上, 右バンパーバー上 |
点字表示を前にスクロール | 左バンパーバー下, 右バンパーバー下 |
USBまたはbluetooth接続されたOptelec社製のALVA BC640及びBC680ディスプレイの両方をサポートします。 これらのディスプレイを使用するために、特別なドライバーは必要ありません。 ディスプレイを接続して、NVDAでそれが使用できるように設定するだけです。
これらの機器は点字入力キーを備えていますが、文字入力は機器自身によってテキストに変換されます。 NVDAの点字入力テーブル設定は有効ではありません。
以下は、これらのディスプレイ上で使用できるNVDA用のキー割り当てです。 各キーの位置については、ディスプレイの説明書を参照してください。
名称 | キー |
---|---|
点字表示を前にスクロール | t1 |
点字表示を前の行に移動 | t2 |
点字表示を次の行に移動 | t4 |
点字表示を次にスクロール | t5 |
点字セルに移動 | タッチカーソル |
Shift+Tabキー | sp1 |
Altキー | sp2 |
Escキー | sp3 |
Tabキー | sp4 |
上矢印キー | spUp |
下矢印キー | spDown |
左矢印キー | spLeft |
右矢印キー | spRight |
Enterキー | spEnter |
NVDAメニュー | sp1+sp3 |
Windows+Dキー (すべてのアプリケーションを最小化) | sp1+sp4 |
Windowsキー | sp2+Sp3 |
Alt+Tabキー | sp2+sp4 |
すべてのUSBまたはbluetooth接続されたHandy Tech社製ディスプレイをサポートしています。 古いUSB接続のディスプレイを使用する場合は、Handy Tech社からUSBドライバーを入手してインストールする必要があります。
点字キー入力は現在サポートされていません。
以下は、これらのディスプレイ上で使用できるNVDA用のキー割り当てです。 各キーの位置については、ディスプレイの説明書を参照してください。
名称 | キー |
---|---|
点字表示を前にスクロール | Left, Up |
点字表示を後にスクロール | Right, Down |
点字表示を前の行に移動 | B4 |
点字表示を次の行に移動 | B5 |
点字セルに移動 | タッチカーソル |
Shift+Tabキー | Esc |
Altキー | B2+B4+B5 |
Escキー | B4+B6 |
Tabキー | Enter |
Enterキー | Esc+Enter |
上矢印キー | 左Space |
下矢印キー | 右Space |
NVDAメニュー | B2+B4+B5+B6 |
Handy Tech設定 | B4+B8 |
MDV社製のLilliディスプレイをサポートしています。 これらのディスプレイを使用するために、特別なドライバーは必要ありません。 ディスプレイを接続して、NVDAでそれが使用できるように設定するだけです。
以下は、これらのディスプレイ上で使用できるNVDA用のキー割り当てです。 各キーの位置については、ディスプレイの説明書を参照してください。
名称 | キー |
---|---|
点字表示を前にスクロール | LF |
点字表示を後にスクロール | RG |
点字表示を前の行に移動 | UP |
点字表示を次の行に移動 | DN |
点字セルに移動 | route |
Shift+Tabキー | SLF |
Tabキー | SRG |
Alt+Tabキー | SDN |
Alt+Shift+Tabキー | SUP |
USBまたはbluetooth接続されたいくつかのBaum社、HumanWare社及びAPH製のディスプレイをサポートしています。 サポートしているディスプレイには以下のものが含まれます。
その他のいくつかのBaum社製ディスプレイでも動作する可能性がありますが、テストは行っていません。
USBで接続する場合は、製造元が提供するUSBドライバーを最初にインストールしてください。 APH製のRefreshabrailleを使用する場合、USBモードをシリアルにセットしなければなりません。
以下は、これらのディスプレイ上で使用できるNVDA用のキー割り当てです。 各キーの位置については、ディスプレイの説明書を参照してください。
名称 | キー |
---|---|
点字表示を前にスクロール | d2 |
点字表示を後にスクロール | d5 |
点字表示を前の行に移動 | d1 |
点字表示を次の行に移動 | d3 |
点字セルに移動 | タッチカーソル |
ジョイスティックが付いているディスプレイの場合:
名称 | キー |
---|---|
上矢印キー | 上 |
下矢印キー | 下 |
左矢印キー | 左 |
右矢印キー | 右 |
Enterキー | select |
hedo Reha-Technik製のhedo ProfiLine USBに対応しました。 最初に、製造元から提供されているUSBドライバーをインストールする必要があります。
以下は、このディスプレイ上で使用できるNVDA用のキー割り当てです。 各キーの位置については、ディスプレイの説明書を参照してください。
名称 | キー |
---|---|
点字表示を前にスクロール | K1 |
点字表示を後ろにスクロール | K3 |
点字表示を前の行に移動 | B2 |
点字表示を次の行に移動 | B5 |
点字セルに移動 | routing |
点字表示を切り替え | K2 |
すべて読み上げ | B6 |
hedo Reha-Technik製のhedo MobilLine USBがサポートされました。 最初に、製造元から提供されているUSBドライバーをインストールする必要があります。
以下は、このディスプレイ上で使用できるNVDA用のキー割り当てです。 各キーの位置については、ディスプレイの説明書を参照してください。
名称 | キー |
---|---|
点字表示を前にスクロール | K1 |
点字表示を後ろにスクロール | K3 |
点字表示を前の行に移動 | B2 |
点字表示を次の行に移動 | B5 |
点字セルに移動 | routing |
点字表示を切り替え | K2 |
すべて読み上げ | B6 |
USBまたはBluetooth接続されたHumanWare製の BI 32、BI 40及びB 80を含むBrailliant BI及びBシリーズディスプレーがサポートされました。 USB接続されている場合、最初に製造元から提供されたUSBドライバーをインストールする必要があります。
以下は、このディスプレイ上で使用できるNVDA用のキー割り当てです。 各キーの位置については、ディスプレイの説明書を参照してください。
名称 | キー |
---|---|
点字表示を前にスクロール | 左 |
点字表示を後にスクロール | 右 |
点字表示を前の行に移動 | 上 |
点字表示を次の行に移動 | 下 |
点字セルに移動 | タッチカーソル |
点字表示の切り替え | 上+下 |
上矢印キー | スペース+1の点 |
下矢印キー | スペース+4の点 |
左矢印キー | スペース+3の点 |
右矢印キー | スペース+6の点 |
NVDAメニュー | c1+c3+c4+c5 (コマンド N) |
Shift+Tabキー | スペース+1の点+3の点 |
Tabキー | スペース+4の点+6の点 |
Altキー | スペース+1の点+3の点+4の点 (スペース+M) |
エスケープキー | スペース+1の点+5の点 (スペース+E) |
Enterキー | 8の点 |
Windows+Dキー (すべてのアプリケーションを最小化) | c1+c4+c5 (コマンド D) |
Windowsキー | スペース+3の点+4の点 |
Alt+Tabキー | スペース+2の点+3の点+4の点+5の点 (スペース+T) |
すべて読み上げ | c1+c2+c3+c4+c5+c6 |
HIMS 社の Braille Sense と Braille EDGE ディスプレイを USB またはブルートゥースで接続すれば NVDA で利用できます。 USB 接続のときは HIMS 社が提供する USB ドライバーをインストールしておく必要があります。
NVDA で利用するときのキー割り当ては以下のとおりです。 キーの場所の説明は点字ディスプレイのマニュアルをお読みください。
名称 | キー |
---|---|
点字表示を後にスクロール | 左側のスクロール下 |
点字表示を前にスクロール | 右側のスクロール下 |
点字表示を前の行に移動 | 左側のスクロール上 |
点字表示を次の行に移動 | 右側のスクロール上 |
点字セルに移動 | タッチカーソル |
Shift+Tab キー | 1の点+2の点+スペース |
Alt キー | 1の点+3の点+4の点+スペース |
エスケープキー | 1の点+5の点+スペース |
Tab キー | 4の点+5の点+スペース |
Enter キー | 8の点 |
バックスペースキー | 7の点 |
上矢印キー | 1の点+スペース |
下矢印キー | 4の点+スペース |
Caps Lock | 1の点+3の点+6の点+スペース |
Shift+Alt+Tab キー | F2+F3+F1 |
Alt+tab キー | F2+F3 |
End キー | 4の点+6の点+スペース |
Control+End キー | 4の点+5の点+6の点+スペース |
Home キー | 1の点+3の点+スペース |
Control+Home キー | 1の点+2の点+3の点+スペース |
左矢印 キー | 3の点+スペース |
Control+Shift+左矢印 キー | 2の点+8の点+スペース+F1 |
Control+左矢印 キー | 2の点+スペース |
Shift+Alt+左矢印 キー | 2の点+7の点+F1 |
Alt+左矢印 キー | 2の点+7の点 |
右矢印 キー | 6の点+スペース |
Control+Shift+右矢印 キー | 5の点+8の点+スペース+F1 |
Control+右矢印 キー | 5の点+スペース |
Shift+Alt+右矢印 キー | 5の点+7の点+F1 |
Alt+右矢印 キー | 5の点+7の点 |
PageUp キー | 1の点+2の点+6の点+スペース |
Control+PageUp キー | 1の点+2の点+6の点+8の点+スペース |
Control+Shift+上矢印 キー | 2の点+3の点+8の点+スペース+F1 |
Control+上矢印 キー | 2の点+3の点+スペース |
Shift+Alt+上矢印 キー | 2の点+3の点+7の点+F1 |
Alt+上矢印 キー | 2の点+3の点+7の点 |
Shift+上矢印 キー | 左側のスクロール下 + スペース |
PageDown キー | 3の点+4の点+5の点+スペース |
Control+PageDown キー | 3の点+4の点+5の点+8の点+スペース |
Control+Shift+下矢印 キー | 5の点+6の点+8の点+スペース+F1 |
Control+下矢印 キー | 5の点+6の点+スペース |
Shift+Alt+下矢印 キー | 5の点+6の点+7の点+F1 |
Alt+下矢印 キー | 5の点+6の点+7の点 |
Shift+下矢印 キー | 右側のスクロール下 + スペース |
Delete キー | 1の点+3の点+5の点+スペース |
F1 キー | 1の点+2の点+5の点+スペース |
F3 キー | 1の点+2の点+4の点+8の点 |
F4 キー | 7の点+F3 |
Windows+B キー | 1の点+2の点+F1 |
Windows+D キー | 1の点+4の点+5の点+F1 |
HIMS 社の SyncBraille ディスプレイを NVDA で利用できます。 HIMS 社が提供する USB ドライバーをインストールしておく必要があります。
NVDA で利用するときのキー割り当ては以下のとおりです。 キーの場所の説明は点字ディスプレイのマニュアルをお読みください。
名称 | キー |
---|---|
点字表示を後にスクロール | 左側のスクロール下 |
点字表示を前にスクロール | 右側のスクロール下 |
点字セルに移動 | タッチカーソル |
日本テレソフト 社の 清華バージョン3, 4 および 5 (40セル) および 清華80 (80セル) 点字ディスプレイをサポートしています。 これらのディスプレイの情報は http://www.seika-braille.com/ を参照してください。 製造者が提供する USB ドライバーをインストールしておく必要があります。
NVDA で利用するときのキー割り当ては以下のとおりです。 キーの場所の説明は点字ディスプレイのマニュアルをお読みください。
名称 | キー |
---|---|
点字表示を後にスクロール | 左 |
点字表示を前にスクロール | 右 |
点字表示を前の行に移動 | b3 |
点字表示を次の行に移動 | b4 |
点字セル移動モードの切り替え | b5 |
すべて読み上げ | b6 |
Tab キー | b1 |
Shift+Tab キー | b2 |
Alt+Tab キー | b1+b2 |
NVDA メニュー | 左+右 |
点字セルに移動 | タッチカーソル |
次の点字ディスプレイをサポートしています:
BrxCom がインストールされていれば NVDA は BrxCom を使います。 BrxCom はスクリーンリーダーと独立したツールで、点字入力を可能にします。 NVDAに対応した新しいバージョンの BrxCom は Papenmeier からリリースされる予定です。 ただし Trio での点字入力は BrxCom を必要としません。
多くの機種に Easy Access Bar (EAB) があり、直感的ですばやい操作ができます。 この EAB は4方向に動かせて、各方向ごとに2つのスイッチがあります。 ただしCシリーズはこの規則の例外です。
Cシリーズおよび特定の機種には2列のタッチカーソルがあり、上の列は書式の通知に使われます。 タッチカーソルの上の列のどれかひとつを押しながらCシリーズの EAB を押すと、第二段階の押しかたをしたことと同じになります。 上下左右のキー(またはEAB)を押し続けると、操作のリピートになります。
これらの点字ディスプレイで一般的に使える操作は次のとおりです:
名称 | キー |
---|---|
L1 | 左前面キー |
L2 | 左背面キー |
R1 | 右前面キー |
R2 | 右背面キー |
上 | 1ステップ上 |
上2 | 2ステップ上 |
左 | 1ステップ左 |
左2 | 2ステップ左 |
右 | 1ステップ右 |
右2 | 2ステップ右 |
下 | 1ステップ下 |
下2 | 2ステップ下 |
以下は NVDA のために割り当てられた Papenmeier のコマンドです:
名称 | キー |
---|---|
点字表示を後にスクロール | 左 |
点字表示を前にスクロール | 右 |
点字表示を前の行に移動 | 上 |
点字表示を次の行に移動 | 下 |
点字セルに移動 | タッチカーソル |
レビューカーソルの現在の文字を通知 | L1 |
現在のナビゲーターオブジェクトを選択 | L2 |
フラットレビューまたはフォーカスに移動 | 右1 |
タイトルを通知 | L1+上 |
ステータスバーを通知 | L2+下 |
外側のオブジェクトに移動 | 上2 |
内側の最初のオブジェクトに移動 | 下2 |
前のオブジェクトに移動 | 左2 |
次のオブジェクトに移動 | 右2 |
書式の通知 | 上の列のタッチカーソル |
Trio モデルでは点字キーボードの前面に4つのキーがあります。 これらは(左から右に)以下の通りです:
現在は右親指キーは使っていません。 内側のキーは両方ともスペースに割り当てています。
名称 | キー |
---|---|
backspace キー | 7の点 |
enter キー | 8の点 |
escape キー | スペース+7の点 |
上矢印キー | スペース+2の点 |
左矢印キー | スペース+1の点 |
右矢印キー | スペース+4の点 |
下矢印キー | スペース+5の点 |
control キー | lt+2の点 |
alt キー | lt+3の点 |
control+escape キー | スペース+1 2 3 4 5 6の点 |
tab キー | スペース+3 7の点 |
次の点字ディスプレイをサポートしています:
これらのディスプレイの接続方法はシリアルポートだけです。 したがって、点字設定ダイアログでこのドライバを選んでから、ディスプレイが接続されているポートを選択する必要があります。
一部の機種には、直感的かつ高速な動作を可能にするイージーアクセスバー(EAB)が備わっています。 EABは4方向に移動させることができ、一般的に各方向に2つのスイッチがあります。 上下左右キー(またはEAB)を押したまま保持すると、対応するアクションが繰り返されます。 旧式の機種はEABがありません。フロントキーが代わりに使用できます。
これらの点字ディスプレイで一般的に使える操作は次のとおりです:
名称 | キー |
---|---|
l1 | 左前面キー |
l2 | 左背面キー |
r1 | 右前面キー |
r2 | 右背面キー |
up | 1ステップ上 |
up2 | 2ステップ上 |
left | 1ステップ左 |
left2 | 2ステップ左 |
right | 1ステップ右 |
right2 | 2ステップ右 |
dn | 1ステップ下 |
dn2 | 2ステップ下 |
以下は NVDA のために割り当てられた Papenmeier のコマンドです:
EABがある機種:
名称 | キー |
---|---|
点字表示を後にスクロール | left |
点字表示を前にスクロール | right |
点字表示を前の行に移動 | up |
点字表示を次の行に移動 | dn |
点字セルに移動 | タッチカーソル |
レビューカーソルの現在の文字を通知 | l1 |
現在のナビゲーターオブジェクトを選択 | l2 |
フラットレビューまたはフォーカスに移動 | r1 |
タイトルを通知 | l1up |
ステータスバーを通知 | l2down |
外側のオブジェクトに移動 | up2 |
内側の最初のオブジェクトに移動 | dn2 |
次のオブジェクトに移動 | right2 |
前のオブジェクトに移動 | left2 |
書式の通知 | 上の列のタッチカーソル |
BRAILLEX Tiny:
名称 | キー |
---|---|
レビューカーソルの現在の文字を通知 | l1 |
現在のナビゲーターオブジェクトを選択 | l2 |
点字表示を後にスクロール | left |
点字表示を前にスクロール | right |
点字表示を前の行に移動 | up |
点字表示を次の行に移動 | dn |
タッチカーソルの切替 | r2 |
フラットレビューまたはフォーカスに移動 | r1 |
外側のオブジェクトに移動 | r1+up |
内側の最初のオブジェクトに移動 | r1+dn |
前のオブジェクトに移動 | r1+left |
次のオブジェクトに移動 | r1+right |
書式の通知 | reportf |
BRAILLEX 2D Screen:
名称 | キー |
---|---|
レビューカーソルの現在の文字を通知 | l1 |
現在のナビゲーターオブジェクトを通知 | l2 |
タッチカーソルの切替 | r2 |
書式の通知 | reportf |
点字表示を前の行に移動 | up |
点字表示を後にスクロール | left |
フラットレビューまたはフォーカスに移動 | r1 |
点字表示を前にスクロール | right |
点字表示を次の行に移動 | dn |
次のオブジェクトに移動 | left2 |
外側のオブジェクトに移動 | up2 |
内側の最初のオブジェクトに移動 | dn2 |
前のオブジェクトに移動 | right2 |
NVDA は Humanware の BrailleNote ノートテイカーに対応しており、スクリーンリーダーのための点字ディスプレイ端末として使うことができます。 次の機種に対応しています:
お使いの機種が複数の接続方法で使える場合は、 BrailleNote を NVDA で使うために、点字ディスプレイ装置の設定でポートを選ぶ必要があります。 詳細は BrailleNote の説明書をお読みください。 NVDA の点字設定ダイアログでのポート選択が必要になる場合もあります。 USBまたはブルートゥースで接続する場合は、"自動選択"、"USB"、"ブルートゥース" のいずれかを適切に選んでください。 シリアルポート(またはUSBシリアルコンバーター)を使う場合、あるいは、これらの選択肢が表示されない場合は、ハードウェアのポート一覧から、適切なポートを選んでください。
BrailleNote Apex を USB 接続するためには、あらかじめ HumanWare が提供するドライバーをインストールしてください。
以下は NVDA における BrailleNote のコマンド割り当てです。 キーの場所については BrailleNote の説明書をお読みください。
名称 | キー |
---|---|
点字表示を後にスクロール | back |
点字表示を前にスクロール | advance |
点字表示を前の行に移動 | previous |
点字表示を次の行に移動 | next |
点字セルに移動 | タッチカーソル |
タッチカーソルの切替 | previous+next |
上矢印キー | スペース+1の点 |
下矢印キー | スペース+4の点 |
左矢印キー | スペース+3の点 |
右矢印キー | スペース+6の点 |
PageUp キー | スペース+1の点+3の点 |
PageDown キー | スペース+4の点+6の点 |
Home キー | スペース+1の点+2の点 |
End キー | スペース+4の点+dot5 |
Control+home キー | スペース+1の点+2の点+3の点 |
Control+end キー | スペース+4の点+5の点+6の点 |
スペースキー | スペース |
Enter キー | スペース+8の点 |
バックスペースキー | スペース+7の点 |
Tab キー | スペース+2の点+3の点+4の点+5の点 (スペース+t) |
Shift+tab キー | スペース+1の点+2の点+5の点+6の点 |
Windows キー | スペース+2の点+4の点+5の点+6の点 (スペース+w) |
Alt キー | スペース+1の点+3の点+4の点 (スペース+m) |
入力ヘルプの切替 | スペース+2の点+3の点+6の点 (スペース+小文字h) |
BRLTTYは別のプログラムで、より多くの点字ディスプレイをサポートしています。 使用するには、BRLTTY for Windowsをインストールする必要があります。 最新のパッケージ、例えばbrltty-win-4.2-2.exeのような名前のものをダウンロードしてインストールしてください。 ディスプレイで使用するポートの設定を行う際、特にUSB接続のディスプレイを使用し製造元のドライバーをインストールしている場合、インストラクションを注意深く確認してください。
点字入力キーを備えている機器を使う場合は、BRLTTY 自身が文字入力の処理を行います。 NVDAの点字入力テーブル設定は有効ではありません。
以下はNVDA用に割り当てられたBRLTTYのコマンドです。 BRLTTY用のコマンドが、ディスプレイのコントロールにどのように割り当てられているかに関しては、BRLTTY key tables documentationを確認してください。
名称 | BRLTTYコマンド |
---|---|
点字表示を前にスクロール | fwinlt (左に1画面進む) |
点字表示を後にスクロール | fwinrt (右に1画面進む) |
点字表示を前の行に移動 | lnup (上に1行進む) |
点字表示を次の行に移動 | lndn (下に1行進む) |
点字セルに移動 | タッチカーソル (カーソルを文字に移動) |
利用者は、NVDAのユーザー設定ディレクトリーの特別なファイルにスクリプトを書くことで、 (例えばキーを押す等の) 新しい入力ジェスチャーを定義したり、すでに割り当てられているキーマップを上書きすることができます。 このファイルは、gestures.iniといいます。
このファイルは、一般的なiniファイルの形式を採用しています。 ファイルには複数のセクションが含まれており、それぞれのセクションにはひとつ以上のエントリーがあります。
それぞれのセクションでは、特定のPythonモジュールのスクリプトとNVDA内部のクラスとのマッピングを行っています。
ジェスチャー識別子は2文字のデバイスコード;サブデバイス、ブラケットでかこまれたレイアウトやモード、コロン記号、キーボードやタッチジェスチャーなどのデバイスごとの入力識別文字列です。
ジェスチャー識別子、スクリプト名が、どのクラス及びモジュールに含まれているかを確認するには、以下のようにしてください。
以下は、NVDA+Shift+Tを日時のスクリプトに設定する例です。
日時に関する正確なスクリプト名とmodule.classを探すには、入力ヘルプを有効にしてNVDA+F12を押してください (これが、現在設定されている日時を読み上げさせるジェスチャーです) 。 その後、入力ヘルプを無効にし、ログビューアーを起動してください。
下の方に進むと、以下のように書かれています。
INFO - inputCore.InputManager._handleInputHelp (13:17:22) : Input help: gesture kb (desktop) :NVDA+f12, bound to script dateTime on globalCommands.GlobalCommands
上記のログから、スクリプト名はdateTimeであり、module.classはglobalCommands.GlobalCommandsであることがわかりました。
もしまだファイルが存在していない場合は、gestures.iniというテキストファイルをユーザー設定ディレクトリーに作成し、以下のように記述してください。
[globalCommands.GlobalCommands] dateTime = kb:NVDA+Shift+t
これにより、NVDA+Shift+Tを押すことが (すべてのキーボードレイアウトにおいて) 日時を読み上げるスクリプトにバインドされます。
なお、オリジナルのNVDA+F12のバインドも同じように動作します。 このバインドを削除したい場合は、以下の行を追加してください。
None = kb:NVDA+f12
利用可能なすべてのキーにスクリプトを割り当てることができますが、キーボードのAltキーを使用した場合、問題が発生する可能性があります。 NVDAは、たとえ (Shift、Control及びAltキーのような) 修飾キーがスクリプトにバインドされている場合でも、その情報をオペレーティングシステムに送ります。 ゆえに、もしAltキーをジェスチャーに使用した場合、スクリプトを実行するだけでなく、メニューバーを開いてしまう可能性があります。 そこで、おそらくShift、Control及びNVDAキーを代替キーとして指定した方が良いと考えられます。
句読点などの記号の読み方を、句読点/記号の読み方ダイアログを使用することなくカスタマイズすることができます。 例えば、 (間を空けたり抑揚をつけるために) 音声エンジンが読み上げない記号を定義したり、記号をカスタマイズすることができます。
実行するには、NVDAのユーザー設定ディレクトリー内の記号の読み方を定義したファイルを編集する必要があります。 ファイルは、Symbols-xx.dicと呼ばれており、xxは言語コードで置き換えます。 このファイルの書式は、NVDAの開発者向けガイドの記号の読み上げセクションにあり、the Development section of the NVDA web siteから参照できます。 しかし、利用者は複雑な記号を定義することはできません。
NVDAに関して、さらに詳細な情報や助けが必要な場合は、NVDAのサイト、http://www.nvaccess.org/を参照してください。 ここには追加のドキュメント、そして技術サポートやコミュニティーのリソースがあります。 また、NVDA開発に関する情報やリソースも提供しています。