NVDA日本語版はNVDA日本語チームが NVDA プロジェクトの成果を利用して開発したものです。 NVDA 2012.3.1jp は NVDA 2012.3 ブランチのリビジョン 5681 をベースにしています。 これは NVDA 2012.3 リリースの後で行われた不具合修正の多くを取り入れています。
これは日本語でNVDAを利用するための機能拡張を含んでいます。
開発中の機能を含んでいます。ご自身の責任でご利用ください。
日本語版では音声エンジンのスペル読み機能ではなく、独自の辞書を使って「スペル読み」を行います。音声設定の「スペル読み」設定は無視されます。
NVDA 日本語版の初期設定では音声エンジンは JTalk に設定されています。これは日本語に対応しています。
NVDA 日本語版には実験的な音声エンジン JTalk2 があります。これは日本語以外の言語にも対応しています。
左矢印キーや右矢印キーによる文字単位の移動と、文字単位のレビューで、文字の詳細読みを行なう「文字説明モード」を導入しました。 「レビューカーソルの現在の文字を通知」(デスクトップ配列:テンキー2 ラップトップ配列:NVDA+コンマ)を2度続けて押すと、「説明モード」「読みかたモード」の切替ができます。(関連チケット 27620)
名称 | デスクトップ用キー | ラップトップ用キー | 説明 |
---|---|---|---|
レビュー内の前の文字に移動 | テンキー1 | NVDA+M | レビューカーソルをテキスト内の現在行の前の文字に移動します。 説明モードではその文字の説明や例を通知します。 |
レビュー内の現在の文字を通知 | テンキー2 | NVDA+コンマ | テキスト内の現在行のレビューカーソル位置の文字を通知します。説明モードではその文字の説明や例を通知します。このキーを2度続けて押すと「説明モード」「読みかたモード」が切り替わります。3度続けて押すと10進数と16進数による文字コードを通知します。 |
レビュー内の次の文字に移動します。 | テンキー3 | NVDA+ピリオド | レビューカーソルをテキスト内の現在行の次の文字に移動します。説明モードではその文字の説明や例を通知します。 |
NVDAメニュー「設定」「日本語設定」で日本語の文字説明と文字入力に関する設定ができます。
チェックありにすると、日本語キーボードの無変換キーをNVDA制御キーとして使用できます。初期値はチェックありです。
チェックありにすると、日本語キーボードの変換キーをNVDA制御キーとして使用できます。初期値はチェックなしです。
チェックありにすると、半角全角キーが押されたときに「日本語変換」「変換停止」を音声や点字で通知せず、ビープ音で通知します。 初期値はチェックなしです。
チェックありにすると、文字レビュー(説明モード)のときに、ひらがなとカタカナを「あさひのあ」のように読みます。 初期値はチェックなしです。
チェックありにすると、文字レビュー(説明モード)のときに、アルファベットを「A アルファー」のように読みます。 初期値はチェックなしです。
チェックありにすると、文字レビューのときに、カタカナを「カタカナ ア」のように読みます。 初期値はチェックなしです。
変換候補の文字説明では、この設定に関わらずひらがなとカタカナの通知を行います。
0 以外の数字を設定すると、文字レビューのときに、カタカナの声の高さを変化させます。 初期値は -20 です。
変換候補の文字説明では、この設定は無効です。
チェックありにすると、文字レビューのときに、半角文字を「半角 1」のように読みます。 初期値はチェックなしです。
変換候補の文字説明では、この設定に関わらず半角の通知を行います。
0 以外の数字を設定すると、文字レビューのときに、半角文字の声の高さを変化させます。 初期値は 20 です。
変換候補の文字説明では、この設定は無効です。
「日本語版の文字入力拡張(NVDAの再起動が必要)」は初期状態でチェックありになっています。
無効にするにはこの設定をチェックなしにしてNVDAを起動しなおしてください。
なお NVDA 2012.3 の「東アジア言語文字入力」の処理の一部は NVDA 日本語版の処理で置きかえられています。 本家の処理を有効にするには、レジストリエディターで下記の値に 1 を設定してください。
NVDA日本語版は文字説明辞書のカスタマイズができます。辞書ファイルを「ユーザー設定ディレクトリ」におくと、NVDA 日本語版の実行時に読み込まれます。
ユーザー設定ディレクトリ (Windows XP):
C:\Documents and Settings\(ユーザー名)\Application Data\nvda
(Windows Vista, 7, 8):
C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\nvda
カスタマイズされた辞書のファイル名は characters-ja.dic にしてください。('ja' は言語をあらわします)
UTF-8 エンコーディングのテキストファイル、以下のフォーマット(タブ文字区切り)です。
フィールド1: 文字 フィールド2: 文字の Unicode 16進数表記 フィールド3: 半角角括弧 [] で囲まれた「日本語のスペル読み」 フィールド4: charactersDescriptions.dic の第2フィールドの内容(詳細読み)
ただし先頭がシャープ # で始まる行は無視されます。また先頭が \# の行は半角シャープの文字に関する情報です。
2012.3.1jp の文字説明辞書については チケット29872 を参照してください。
2012.2.1jp の文字説明辞書についてはチケット26926 を参照してください。この 2012.2.1jp 形式のカスタマイズは将来廃止される予定です。
日本語の自動点訳は不完全で、実装されていない処理が多く残っています。
NVDA日本語版のソースコードは以下で公開しています。
SAPI 5 (Speech API バージョン 5) 対応エンジンは NVDA 本家版および NVDA 日本語版で使用できます。
マイクロソフトは障碍のある方、ボランティアの方を対象に、SAPI 5 に対応した日本語音声合成エンジンを無償 (数量限定) で提供しています。
なお Windows 8 の日本語音声エンジン Haruka Desktop は SAPI5 で利用できます。
Microsoft Speech Platform はマイクロソフトが無償で配布している音声合成エンジンです。 Windows XP, Vista, 7 で利用できますが、標準ではシステムに入っていません。
NVDA 本家版には Microsoft Speech Platform のための音声ドライバが組み込まれています。
NVDA 日本語版では Haruka (nvdajp) という日本語専用ドライバを追加し、カーソル移動時の文字の読み上げや文字単位の説明が行われない不具合への対応を行いました。(関連チケット28168)
音声エンジン Haruka は下記のツールでインストールできます。
Microsoft Speech Platform 簡単インストーラー Ver.2.1
またはマイクロソフトのWebサイトから入手できます。
license.rtf を確認してください。
以下のファイルをダウンロードしてインストールしてください。 Windows 32ビット版および64ビット版のいずれをお使いの場合もx86のランタイムが必要です。
日本語に対応した言語ファイルとして Haruka を使用します。以下をダウンロードしてインストールしてください。
SAPI4 の ProTALKER での不具合については下記を参照してください。
NVDA と Firefox で Web ページを閲覧する方法が NVDA 日本語版 操作ガイド にまとめられています。
NVDA日本語版ユーザーメーリングリスト nvda-japanese-users は Google グループで運営されています。
Google のアカウントをお持ちでなくても、下記にメールを送信することで、登録を行うことができます。
nvda-japanese-users+subscribe@googlegroups.com
Twitter ハッシュタグ #nvdajp は NVDA 日本語版の関係者が使用しています。
NVDA 日本語化プロジェクトが SourceForge.jp で行う活動は @nvdajp でお知らせしています。
オープンソースのスクリーンリーダーNVDA の開発組織である 非営利団体 NV Accessは、活動の存続のために寄付を求めています。 クレジットカードを使って日本から寄付をする方法 が「まほろば」のサイトで説明されています。
NVDA日本語チームへのご支援については NVDA日本語チームのブログ をごらんください。
NVDA日本語チームでは SourceForge JP の チケット 機能で、確認された不具合および対応を公開しています。
NVDA コミュニティ アドオン のサイトは、NVDA翻訳チームが運営するNVDAユーザーのための情報で、日本語に対応したアドオンなどを紹介しています。
NVDA 2012.3.1jp における日本語点字出力の課題は以下のとおりです。
点字ビューワーは音声出力される情報を点字に変換しているので、点字ディスプレイへの実際の出力と内容が一致しないことがあります。
アプリケーションが点字出力を直接制御する The Qube などでは、アプリケーション側の設定を行なってください。
例えば Qube では Configuration (CTRL-SHIFT-Windows-O) で、 Braille タブの "Braille spoken text" チェックボックスを有効にしてください。
2012.2.1jp まで提供していた DirectBM ドライバでは、アプリケーション側の設定をしなくても音声出力と同じ内容を点字ディスプレイに送っていました。 KGSドライバでは点字出力はNVDAの仕様に沿った処理を行なっています。
NVDA 2012.3.1jp の日本語点字では記号は以下のように出力されます。
なお下記の表に含まれる点字シンボルを Windows XP で表示する場合にはフォントの追加が必要です。
記号 | 出力 | 点字シンボル |
---|---|---|
ー | 25 | ⠒ |
、 | 56 | ⠰ |
。 | 256 | ⠲ |
| | 2356 | ⠶ |
_ | 36 | ⠤ |
( | 2356 | ⠶ |
) | 2356 | ⠶ |
( | 2356 | ⠶ |
) | 2356 | ⠶ |
[ | 5 2356 | ⠐⠶ |
] | 2356 5 | ⠶⠂ |
[ | 5 2356 | ⠐⠶ |
] | 2356 5 | ⠶⠂ |
“ | 5 2356 | ⠐⠶ |
” | 2356 5 | ⠶⠂ |
{ | 5 2356 | ⠐⠶ |
} | 2356 5 | ⠶⠂ |
‘ | 5 2356 | ⠐⠶ |
’ | 2356 5 | ⠶⠂ |
〔 | 5 2356 | ⠐⠶ |
〕 | 2356 5 | ⠶⠂ |
{ | 5 2356 | ⠐⠶ |
} | 2356 5 | ⠶⠂ |
〈 | 5 2356 | ⠐⠶ |
〉 | 2356 5 | ⠶⠂ |
《 | 5 2356 | ⠐⠶ |
》 | 2356 5 | ⠶⠂ |
【 | 5 2356 | ⠐⠶ |
】 | 2356 5 | ⠶⠂ |
〝 | 5 2356 | ⠐⠶ |
〟 | 2356 5 | ⠶⠂ |
「 | 56 36 | ⠰⠤ |
」 | 36 56 | ⠤⠆ |
『 | 56 36 | ⠰⠤ |
』 | 36 56 | ⠤⠆ |
「 | 56 36 | ⠰⠤ |
」 | 36 56 | ⠤⠆ |
- | 36 | ⠤ |
. | 3 | ⠂ |
: | 5 2 | ⠐⠂ |
\ | 16 | ⠡ |
? | 26 | ⠢ |
! | 235 | ⠖ |
・ | 5 | ⠐ |
+ | プラス | ⠠⠭⠑⠹ |
@ | アット | ⠁⠂⠞ |
(以上)