NVDA日本語版の説明 2015.4jp

目次

1. はじめに

NVDA日本語版はNVDA日本語チームが NV Access の成果を利用して開発したものです。

この文書は NV Access 版 NVDA (本家版)と NVDA 日本語版の違いや、NVDA を日本語環境で使うときの注意点を説明しています。

NVDA のユーザーガイドとあわせてお読みください。

NVDA日本語版は無保証です。ご自身の責任でご利用ください。

1.1. Webサイト

NVDA日本語版のWebサイト www.nvda.jp

1.2. 貢献者

NVDA日本語版への貢献者

2. システム要件とインストール

NVDA日本語版ではインストールに必要な空きディスクスペースは 120MB 程度です。

NVDA日本語版のインストーラー(実行ファイル)は http://i.nvda.jp から入手できます。

NVDA日本語版はアイコンを「でめきん」に変更しています。

3. NVDAの起動

インストールのときに「デスクトップにアイコンとショートカットキーを作成」を選択すると NVDA をショートカットキー CTRL+ALT+N で起動できます。

このキー割り当ては他のスクリーンリーダーと競合することがあります。

起動ショートカットキーはデスクトップのアイコンNVDAのプロパティの中で変更できます。

デスクトップの NVDA アイコンにフォーカスを移動して Alt+Enter でプロパティを開き、「ショートカット」タブの「ショートカットキー(K)」にフォーカスを移動して、そこで、割り当てたい操作(例えば Ctrl+Alt+Shift+N )を押します。 最後に Enter キー(または OK や 適用(A) のボタン)で保存してください。

4. 移動コマンド

4.1. 文字報告モード

NVDA日本語版は、左矢印キーや右矢印キーによる文字単位の移動、文字単位のレビューなどで、文字の説明や例を使うかどうかを切り替える「文字報告モード」を導入しています。

「レビューカーソルの現在の文字を報告」(デスクトップ配列:テンキー2 ラップトップ配列:NVDA+ピリオド)を4回押すと、「説明モード」「読みかたモード」の切替ができます。NVDA日本語版を起動した直後は「説明モード」です。

例えば「日」という文字は、説明モードでは「ニチヨウビノニチ」、読みかたモードでは「ヒ」と報告されます。

名称 デスクトップ用キー ラップトップ用キー タッチ 説明
レビュー内の前の文字に移動 テンキー1 NVDA+左矢印 左フリック(テキストモード) レビューカーソルをテキスト内の現在行の前の文字に移動し、その文字を現在の文字報告モードで読み上げます。
レビュー内の現在の文字を報告 テンキー2 NVDA+ピリオド なし テキスト内の現在行のレビューカーソル位置の文字を現在の文字報告モードで読み上げます。2回押すとその文字の種類(ひらがな、カタカナ、半角、全角、大文字の区別)と、文字の説明や例、日本語設定で有効にした場合はカナ文字とアルファベットのフォネティック読みも報告します。3回押すと10進数と16進数による文字コードを報告します。4回押すと 「説明モード」「読みかたモード」が切り替わります。
レビュー内の次の文字に移動 テンキー3 NVDA+右矢印 右フリック(テキストモード) レビューカーソルをテキスト内の現在行の次の文字に移動し、その文字を現在の文字報告モードで読み上げます。
レビュー内の現在の単語の報告 テンキー5 NVDA+Ctrl+ピリオド なし テキスト内のレビューカーソルがある位置の単語を報告します。2回押すと「読みかたモード」と同じように1文字ずつ報告します。3回押すと「説明モード」と同じように1文字ずつ報告します。
レビュー内の現在行の報告 テンキー8 NVDA+Shift+ピリオド なし レビューカーソルのある現在行を報告します。2回押すと「読みかたモード」と同じように1文字ずつ報告します。3回押すと「説明モード」と同じように1文字ずつ報告します。
現在のフォーカスの報告 NVDA+Tab NVDA+Tab なし フォーカスのある現在のオブジェクトを報告します。2回押すと現在の文字報告モードで1文字ずつ読み上げます。
タイトルの報告 NVDA+T NVDA+T なし 現在アクティブなウィンドウのタイトルを報告します。2回押すと現在の文字報告モードで1文字ずつ読み上げます。3回押すとクリップボードにコピーします。
ステータスバーの報告 NVDA+End NVDA+Shift+End なし みつかった場合にステータスバー情報を報告します。また、ナビゲーターオブジェクトをその場所に移動します。2回押すと現在の文字報告モードで1文字ずつ読み上げます。
現在行の読み上げ NVDA+上矢印 NVDA+L なし 現在キャレットのある行を読み上げます。2回押すと現在の文字報告モードで1文字ずつ読み上げます。
現在のオブジェクトの報告 NVDA+テンキー5 NVDA+Shift+O なし 現在のナビゲーターオブジェクトを報告します。2回押すと現在の文字報告モードで1文字ずつ読み上げます。3回押すとオブジェクトの名前と値をクリップボードにコピーします。

日本語環境では、NVDA の単語ごとの移動や報告は、アプリによって挙動が異なります。単語単位の操作を行っても文字単位でしか動作しない場合もあります。

5. 設定

5.1. 一般設定

5.1.1. UIオートメーションの有効化

NVDA は Windows 7 以降で UI オートメーション(UIA) を使用します。 NVDA 日本語版では UI オートメーション対応の有効化のチェックボックスを追加しています。 一部のソフトウェアにおける不具合は UI オートメーションを無効にすることで回避できます。 しかし UI オートメーション対応を無効にすると操作できなくなるソフトウェアもあります。 このオプションの変更はNVDAを再起動したときに反映されます。 設定プロファイルではこのオプションを制御できません。また Windows XP および Vista ではこの設定に関わらず UI オートメーションは無効になります。

5.2. 日本語設定

NVDAメニュー「設定」「日本語設定」で日本語の文字説明と文字入力に関する設定ができます。

5.2.1. 無変換をNVDAキーとして使用

チェックすると、日本語キーボードの無変換キーをNVDA制御キーとして使用できます。初期値はチェックされています。 「ようこそ画面」でもこの設定を変更できます。

5.2.2. 変換をNVDAキーとして使用

チェックすると、日本語キーボードの変換キーをNVDA制御キーとして使用できます。初期値はチェックなしです。 「ようこそ画面」でもこの設定を変更できます。

5.2.3. 半角全角キーが押されたらビープ音を鳴らす

チェックすると、半角全角キーが押されたときに「日本語変換」「変換停止」を音声や点字で報告せず、ビープ音で報告します。 初期値はチェックなしです。

5.2.4. かな文字をフォネティック読み

チェックすると、「レビュー内の現在の文字を報告」を2回続けて押したときに、ひらがなとカタカナを「あさひのあ」のように読みます。 初期値はチェックなしです。

5.2.5. アルファベットをフォネティック読み

チェックすると、「レビュー内の現在の文字を報告」を2回続けて押したときに、アルファベットを「A アルファー」のように読みます。 初期値はチェックなしです。

5.2.6. カタカナの声の高さの変化(-100から100)

0 以外の数字を設定すると、文字レビューのときに、カタカナの声の高さを変化させます。 初期値は -20 です。

変換候補の文字説明では、カタカナの声の高さは変化しません。

5.2.7. 半角の声の高さの変化(-100から100)

0 以外の数字を設定すると、文字レビューのときに、半角文字の声の高さを変化させます。 初期値は 20 です。

変換候補の文字説明では、半角文字の声の高さは変化しません。

5.2.8. 変換候補の番号の報告

「変換候補の番号の報告」は初期状態でチェックなしになっています。 このオプションをチェックすると Microsoft IME などで候補ウィンドウの選択項目を「候補2」などの番号をつけて読み上げます。 「日本語版の文字入力拡張」がチェックなしの場合には候補の番号は常に報告されます。

5.2.9. 日本語版の文字入力拡張

「日本語版の文字入力拡張」の初期値はチェックされています。

チェックされている場合、日本語入力の途中で Esc キーが押されて未確定文字列がクリアされると、消去された文字列ではなく「クリア」と報告します。

チェックなしにすると、NVDA 本家版の「東アジア言語文字入力」の処理と同じ動作になります。

5.2.10. 改行位置の不具合対策

日本語版で独自に行ったエディットコントロールの仕様変更の影響で、改行位置が正しく処理されないアプリケーションがあります。 このオプションをチェックなしにすると、エディットコントロールの改行処理が本家版と同じ動作になります。 Winbiff など一部のアプリケーションではチェックなしにしてください。

5.2.11. 点字メッセージの表示終了待ち時間の設定を有効化

チェックなしにすると、点字設定「点字メッセージ表示終了待ち時間」は無視され、メッセージ表示を終了しなくなります。文字入力変換の候補などの表示を消さないようにしたい場合にお使いください。

5.2.12. テキスト編集で改行を報告

この設定をチェックすると、テキスト編集中にエンターキーが押されたときに「改行」を報告します。 ただし日本語入力の確定操作でエンターキーが押されたときには報告しません。 キーボード設定「入力キーの読み上げ」がチェックなしの場合にもこの報告は行いません。 この機能はアプリケーションによっては正しく動作しない場合があります。

5.2.13. ヘルプを独自のウィンドウで開く

初期値は「ヘルプを独自のウィンドウで開く」がチェックされています。

この設定がチェックされている場合、NVDA メニューの「NVDA日本語版の説明」「ユーザーガイド」「コマンド一覧表」「最新情報」は独自のウィンドウで開きます。

この設定をチェックなしにすると、インターネットエクスプローラーや Firefox など Windows の既定のブラウザが使用されます。この仕様は NVDA 本家版と同じです。

独自のウィンドウでドキュメントを開くときには HTA という技術を使用しています。 HTA が利用できない環境の場合や、既定のブラウザでドキュメントを読みたい場合には、このオプションをチェックなしにしてください。

5.2.14. 数式を英語で読み上げる

「数式を英語で読み上げる」オプションの初期値はチェックされています。MathPlayer がインストールされていて、このオプションがチェックされている場合、コンテンツの言語属性や NVDA の設定に関わらず MathML で記述された数式は英語で読み上げます。

このオプションをチェックなしにすると、コンテンツや設定によって MathML の数式が日本語で読み上げられる場合があります。しかしこのとき、数式の対話的ナビゲーションを実行すると "No navigation files for this speech style in this language" と報告されて操作ができない場合があります。

この問題についての詳細は チケット35208 および本家チケット #5126 を参照してください。

5.3. 音声設定

5.3.1. 大文字の前に大文字と読む

NVDA日本語版の初期設定では音声設定「大文字の前に大文字と読む」がチェックされています。 これはピッチで日本語の文字種類を報告することに併う変更です。

5.3.2. スペル読み機能

日本語版では音声エンジンのスペル読み機能ではなく、独自の辞書を使って「スペル読み」を行います。

日本語では SAPI4 や SAPI5 の音声エンジンの一部で、音声設定「サポートされている場合スペル読み機能を使用」をチェックなしにしないと不具合が起きることがあります。

5.4. 点字設定

5.4.1. 日本語のテーブル

点字ディスプレイの出力テーブルに「日本語6点情報処理点字」を追加しています。また、このテーブルは初期設定で選択されています。これは擬似的なテーブルで、このテーブルが選択されていると日本語点訳エンジンが使用され、本家版の点訳エンジンである LibLouis が使用されなくなります。

日本語の点訳エンジンはタッチカーソルに対応しています。

日本語の点訳エンジンは文字入力をサポートしていません。また「コンピューター点字(NABCC)を使用」がチェックされていれば、カーソル位置に関わらずアルファベット、数字、記号をNABCCで出力します。

5.4.2. 点字表示待ち時間

点字表示待ち時間は0秒から20秒が選択できます。

0秒の場合は点字ディスプレイにメッセージを表示せず、フォーカスやレビューカーソルの移動などに伴う表示だけを行います。

ただし「日本語設定」「点字メッセージを待ち時間で消去」をチェックなしにすると、この設定が無視されて点字メッセージ表示時間が10000秒になります。

5.5. キーボード設定

「Caps LockキーをNVDA制御キーとして使用」は日本語キーボードでは使用できません。

「入力単語の読み上げ」は日本語入力を使うときにはチェックなしにしてください。

「入力文字の読み上げ」がチェックなしの場合も、日本語入力の変換候補の読み上げは行います。

5.6. 入力メソッド設定

「候補リストを自動的に報告」は、日本語入力を使うときにはチェックなしにしてください。

6. 音声エンジン

6.1. JTalk

NVDA 日本語版の初期設定では音声エンジンは JTalk に設定されています。これは日本語に対応しています。

6.2. eSpeak

NVDA 日本語版では音声エンジン eSpeak に簡易的な日本語の読み上げ処理を追加しています。

NVDA 本家版の eSpeak は日本語に対応していません。

6.3. SAPI 5

SAPI 5 (Speech API バージョン 5) 対応エンジンは NVDA 本家版および NVDA 日本語版で使用できます。

マイクロソフトは障碍のある方、ボランティアの方を対象に、SAPI 5 に対応した日本語音声合成エンジンを無償 (数量限定) で提供しています。

Microsoft日本語音声合成エンジンのご提供について

Windows 8 以降の日本語音声エンジン Haruka Desktop は SAPI5 で利用できます。

6.4. Haruka

Microsoft Speech Platform はマイクロソフトが無償で配布している音声合成エンジンです。 Windows XP, Vista, 7 で利用できますが、標準ではシステムに入っていません。

NVDA 本家版には Microsoft Speech Platform のための音声ドライバが組み込まれています。

NVDA 日本語版では Haruka (nvdajp) という日本語専用ドライバを追加しました。

音声エンジン Haruka は下記のツールでインストールできます。

Microsoft Speech Platform 簡単インストーラー

またはマイクロソフトのWebサイトから入手できます。

ランタイム(Version 11)の入手

license.rtf を確認してください。

以下のファイルをダウンロードしてインストールしてください。 Windows 32ビット版および64ビット版のいずれをお使いの場合もx86のランタイムが必要です。

言語ファイル

日本語に対応した言語ファイルとして Haruka を使用します。以下をダウンロードしてインストールしてください。

6.5. Vocalizer

Tiflotecnia が販売する Vocalizer for NVDA は NVDA のアドオンになっており、インストール環境とポータブル環境のどちらでも利用できます。

日本語音声 Kyoko が提供されています。

NVDA 日本語チームはこの Vocalizer ドライバの翻訳を担当しています。

Code Factory が販売する Eloquence and Vocalizer Expressive Add-on for NVDA でも Vocalizer の日本語音声が利用できます。

6.6. KCトーカー

ナレッジクリエーションが販売する KCトーカー は NVDA のアドオンで、聞き取りやすい日本語合成音声に加えて、専用のユーザー辞書エディタも提供しています。

7. 点字ディスプレイ

7.1. 記号の出力

NVDA 日本語版ではメールアドレスやWebサイトのURLなどに日本の情報処理用点字が使われます。

その他の日本語点字では記号は以下のように出力されます。

下記の表に含まれる点字シンボルを Windows XP で表示する場合には Unicode 点字に対応したフォントの追加が必要です。

記号 出力 点字シンボル
ー 長音 25
、 テン 56
。 マル 256
| 縦棒 2356
_ アンダーライン 36
( 半角括弧 2356
) 半角括弧閉じ 2356
( 全角括弧 2356
) 全角括弧閉じ 2356
[ 半角大括弧 5-2356 ⠐⠶
] 半角大括弧閉じ 2356-5 ⠶⠂
[ 全角大括弧 5-2356 ⠐⠶
] 全角大括弧閉じ 2356-5 ⠶⠂
“ 全角コーテーション 5-2356 ⠐⠶
” 全角コーテーション閉じ 2356-5 ⠶⠂
{ 半角中括弧 5-2356 ⠐⠶
} 半角中括弧閉じ 2356-5 ⠶⠂
‘ 全角シングル 5-2356 ⠐⠶
’ 全角シングル閉じ 2356-5 ⠶⠂
〔 亀甲括弧 5-2356 ⠐⠶
〕 亀甲閉じ 2356-5 ⠶⠂
{ 全角中括弧 5-2356 ⠐⠶
}全角中括弧閉じ 2356-5 ⠶⠂
〈 山括弧 5-2356 ⠐⠶
〉 山括弧閉じ 2356-5 ⠶⠂
《 二重山括弧 5-2356 ⠐⠶
》 二重山括弧閉じ 2356-5 ⠶⠂
【 黒括弧 5-2356 ⠐⠶
】 黒括弧閉じ 2356-5 ⠶⠂
〝 ヒゲ開き 5-2356 ⠐⠶
〟 ヒゲ閉じ 2356-5 ⠶⠂
「 全角カギ 36
」 全角カギ閉じ 36
『 二重カギ 56-36 ⠰⠤
』 二重カギ閉じ 36-56 ⠤⠆
「 半角カギ 36
」 半角カギ閉じ 36
- 半角マイナス 36
. 半角ピリオド 256
, 半角コンマ 3
: 半角コロン 5-2 ⠐⠂
\ 半角円 16
? 半角クエスチョン 26
! 半角感嘆符 235
・ 全角中点 5
+ 半角プラス 26
@ 半角アット 246
> 半角大なり 35-35 ⠔⠔
= 半角イコール 25-25 ⠒⠒
< 半角小なり 26-26 ⠢⠢
/ 半角スラッシュ 34
# 半角シャープ 56-146 ⠰⠩
$ 半角ドル 56-1456 ⠰⠹
% 半角パーセント 56-1234 ⠰⠏
& 半角アンド 56-12346 ⠰⠯
* 半角アスタリスク 56-16 ⠰⠡
; 半角セミコロン 23
☆ 白星印 56-2346-2 ⠰⠮⠂
★ 黒星印 56-2346-23 ⠰⠮⠆
○ 白丸 6-1356-2 ⠠⠵⠂
● 黒丸 6-1356-23 ⠠⠵⠆
◎ 二重丸 6-1356-256 ⠠⠵⠲
□ 白四角 6-1256-2 ⠠⠳⠂
■ 黒四角 6-1256-23 ⠠⠳⠆
△ 白上向き三角 6-156-2 ⠠⠱⠂
▲ 黒上向き三角 6-156-23 ⠠⠱⠆
▽ 白下向き三角 56-156-2 ⠰⠱⠂
▼ 黒下向き三角 56-156-23 ⠰⠱⠆
◇ 白菱形 46-1236-2 ⠨⠧⠂
◆ 黒菱形 46-1256-23 ⠨⠧⠆
× バツ印 56-16-2 ⠰⠡⠂
※ 米印 35-35 ⠔⠔
→ 右向き矢印 25-25-135 ⠒⠒⠕
← 左向き矢印 246-25-25 ⠪⠒⠒
〒 郵便番号 56-2356 ユービン バンゴー 2356-23 ⠰⠶⠬⠒⠐⠧⠴ ⠐⠥⠴⠐⠪⠒⠶⠆

7.2. KGS BrailleMemoシリーズ

NVDA日本語版は点字ディスプレイドライバ "KGS BrailleMemoシリーズ" を追加しています。BMS40 および BM46 で検証されていますが、その他の機種でも動作が確認されています。

シリアルポート、USB(仮想Commドライバ)、Bluetoothの接続に対応しています。

ケージーエス株式会社 が提供する「BMシリーズ機器用ユーティリティ」にも対応しています。バージョン 6.3.0 での動作を確認しています。

USB 接続で使う場合は「ケージーエスUSB/仮想Commドライバ」をインストールしてください。 機器の通信速度が変更できる場合は 9600BPS に設定してください。

このドライバーではポートの自動設定に加えて、手動でのポート選択ができます。

以下は KGS Braille Memo のコマンド割り当てです。

基本的な操作(1):

名称 ボタン BM46操作
上矢印キー 上方向 上方向
下矢印キー 下方向 下方向
左矢印キー 左方向 左方向
右矢印キー 右方向 右方向
Shift + 上矢印キー select+上方向 f2+上方向
Shift + 下矢印キー select+下方向 f2+下方向
Shift + 左矢印キー select+左方向 f2+左方向
Shift + 右矢印キー select+右方向 f2+右方向
レビューカーソルを前の行に移動 bw f3+上方向
レビューカーソルを次の行に移動 fw f3+下方向
レビューカーソルを前の単語に移動 ls f3+左方向
レビューカーソルを次の単語に移動 rs f3+右方向
点字セルに移動 タッチカーソル タッチカーソル
点字表示を左に戻す f1 f1
点字表示を右に進める f4 f4
Enter キー enter 左親指
Space キー space 右親指
Control キー ctrl 左小指1
Alt キー alt 左小指2
Shift キー select 右小指1
Windows キー read 右小指2

基本的な操作(2):

名称 ボタン BM46(左手)操作 BM46(右手)操作
NVDAメニュー ins f1+上方向 f4+上方向
Backspace キー bs f1+左方向 f4+左方向
Delete キー del f1+右方向 f4+右方向
Enter キー ok f4+上方向 f1+上方向
Enter キー set f4+下方向 f1+下方向
Tab キー inf f4+左方向 f1+左方向
Esc キー esc f4+右方向 f1+右方向
Alt+Tab キー alt+inf f4+左小指2+左方向 f1+左小指2+左方向
Shift+Tab キー select+inf f4+右小指1+左方向 f1+右小指1+左方向

アルファベット文字の入力:

名称 ボタン
a 1の点
b 12の点
c 14の点
d 145の点
e 15の点
f 124の点
g 1245の点
h 125の点
i 24の点
j 245の点
k 13の点
l 123の点
m 134の点
n 1345の点
o 135の点
p 1234の点
q 12345の点
r 1235の点
s 234の点
t 2345の点
u 136の点
v 1236の点
w 2456の点
x 1346の点
y 13456の点
z 1356の点

コントロールキーとアルファベットの入力:

名称 ボタン BM46操作
Control+a ctrl+1の点 左小指1+1の点
Control+b ctrl+12の点 左小指1+12の点
Control+c ctrl+14の点 左小指1+14の点
Control+d ctrl+145の点 左小指1+145の点
Control+e ctrl+15の点 左小指1+15の点
Control+f ctrl+124の点 左小指1+124の点
Control+g ctrl+1245の点 左小指1+1245の点
Control+h ctrl+125の点 左小指1+125の点
Control+i ctrl+24の点 左小指1+24の点
Control+j ctrl+245の点 左小指1+245の点
Control+k ctrl+13の点 左小指1+13の点
Control+l ctrl+123の点 左小指1+123の点
Control+m ctrl+134の点 左小指1+134の点
Control+n ctrl+1345の点 左小指1+1345の点
Control+o ctrl+135の点 左小指1+135の点
Control+p ctrl+1234の点 左小指1+1234の点
Control+q ctrl+12345の点 左小指1+12345の点
Control+r ctrl+1235の点 左小指1+1235の点
Control+s ctrl+234の点 左小指1+234の点
Control+t ctrl+2345の点 左小指1+2345の点
Control+u ctrl+136の点 左小指1+136の点
Control+v ctrl+1236の点 左小指1+1236の点
Control+w ctrl+2456の点 左小指1+2456の点
Control+x ctrl+1346の点 左小指1+1346の点
Control+y ctrl+13456の点 左小指1+13456の点
Control+z ctrl+1356の点 左小指1+1356の点

オルトキーとアルファベットの入力:

名称 ボタン BM46操作
Alt+a alt+1の点 左小指2+1の点
Alt+b alt+12の点 左小指2+12の点
Alt+c alt+14の点 左小指2+41の点
Alt+d alt+145の点 左小指2+145の点
Alt+e alt+15の点 左小指2+15の点
Alt+f alt+124の点 左小指2+124の点
Alt+g alt+1245の点 左小指2+1245の点
Alt+h alt+125の点 左小指2+125の点
Alt+i alt+24の点 左小指2+24の点
Alt+j alt+245の点 左小指2+245の点
Alt+k alt+13の点 左小指2+13の点
Alt+l alt+123の点 左小指2+123の点
Alt+m alt+134の点 左小指2+134の点
Alt+n alt+1345の点 左小指2+1345の点
Alt+o alt+135の点 左小指2+135の点
Alt+p alt+1234の点 左小指2+1234の点
Alt+q alt+12345の点 左小指2+12345の点
Alt+r alt+1235の点 左小指2+1235の点
Alt+s alt+234の点 左小指2+234の点
Alt+t alt+2345の点 左小指2+2345の点
Alt+u alt+136の点 左小指2+136の点
Alt+v alt+1236の点 左小指2+1236の点
Alt+w alt+2456の点 左小指2+2456の点
Alt+x alt+1346の点 左小指2+1346の点
Alt+y alt+13456の点 左小指2+13456の点
Alt+z alt+1356の点 左小指2+1356の点

記号文字の入力:

名称 ボタン
. (ピリオド) 256の点
: (コロン) 25の点
; (セミコロン) 23の点
, (カンマ) 2の点
- (マイナス) 36の点
? (クエスチョン) 236の点
! (感嘆符) 235の点
' (アポストロフィ) 3の点

7.3. KGS BrailleNote 46C/46D

NVDA日本語版は点字ディスプレイドライバ "BrailleNote 46C/46D" を追加しています。

ケージーエス株式会社 が提供する「BMシリーズ機器用ユーティリティ」にも対応しています。

なお、ブレイルノート BN46X は「BMシリーズ機器用ユーティリティ」がインストールされている場合は「BrailleMemoシリーズ」の点字ディスプレイドライバで使用できます。 また、「BMシリーズ機器用ユーティリティ」がインストールされていない場合は「KGS BrailleNote 46C/46D」の点字ディスプレイドライバで使用できます。

USB 接続で使う場合は「ケージーエスUSB/仮想Commドライバ」をインストールしてください。 機器の通信速度が変更できる場合は 9600BPS に設定してください。

以下は BrailleNote 46C/46D のコマンド割り当てです。

名称 ボタン
NVDAメニューの表示 f1
点字セルに移動 タッチカーソル
前にスクロール(左にスクロール) sl
後ろにスクロール(右へスクロール) sr
前のレビューカーソル行 f2+bk
次のレビューカーソル行 f2+lf
前のレビューカーソル単語 f2+sl
次のレビューカーソル単語 f2+sr
前の行へ移動(上の行へ移動) bk
次の行へ移動(下の行へ移動) lf
カーソルを1文字左に移動 f3
カーソルを1文字右に移動 f4

8. NVDAメニュー

8.1. ヘルプ

NVDAメニューに「NVDA日本語版の説明」が追加されています。

「NVDA Webサイト(nvdajp)」「貢献者(nvdajp)」は「NVDA日本語版の説明」からリンクされています。

NVDA 本家版はHTMLファイルに関連付けされた既定のブラウザでヘルプを開きますが、NVDA 日本語版では独自のウィンドウでヘルプを開きます。この独自ウィンドウではブラウズモードの操作ができます。Alt+F4 でウィンドウを閉じることができます。

ただし日本語設定「ヘルプを既定のブラウザではなくHTAで開く」がチェックなしの場合は Windows の既定のブラウザが使用されます。

8.2. スピーチビューワーと点字ビューワー

NVDA 日本語版はツール「スピーチビューワー」を Alt+Tab で切り替え可能にする、Alt+スペースでシステムメニューを開いて最大化できるようにする、文字を大きめにしてウィンドウの不透明度を90パーセントにする、など変更しています。

また NVDA 日本語版はツール「点字ビューワー」を追加しています。

点字ビューワーは音声出力される情報を点字に変換しているので、点字ディスプレイへの実際の出力と内容が一致しないことがあります。

Windows XP で点字ビューアーを使うためには点字フォントが必要です。OpenOffice.org や LibreOffice をインストールすると点字フォントもインストールされます。

8.3. ログビューワー

ツール「ログビューアー」で、日本語などのマルチバイト文字を文字コードではなく文字として出力する変更を行っています。

8.4. 寄付

NVDA 日本語版では「寄付」メニューで開くサイトを NVDA 日本語版の寄付のご案内に変更しています。

9. アプリケーション対応

9.1. スリープモード

WinAltair を使用するときにスリープモードに切り替えるモジュールを追加しています。

NVDA 日本語版 2014.3jp 以降では、以下のように設定することで、スリープモードのアプリにおけるIMEの読み上げを抑止できます。

NVDA 日本語版 2014.3jp 以降では、スリープモードのアプリから NVDA+N でNVDAメニューが開くようになっています。

IME の読み上げを抑止したいアプリを、設定プロファイルのトリガーにして、上記の設定をされることをお勧めします。

9.2. Microsoft Word サポート

Microsoft Word における段落インデントの読み上げは、NVDA 日本語版 2014.3jp 以降では本家の実装に置き換えられています。 (本家チケット4165 日本語版チケット31399)

書式情報「段落インデントの報告」を有効にしてお使いください。

9.3. ATOK 候補コメント

日本語入力システム ATOK の変換候補にコメントウィンドウがある場合に、下記のように動作します。

この状況で、下記の操作ができることを ATOK 2014 と Windows 8.1 の組み合わせで確認しています。

10. カスタマイズ

10.1. 文字説明辞書

NVDA日本語版は文字説明辞書のカスタマイズができます。辞書ファイルを「ユーザー設定ディレクトリ」におくと、NVDA 日本語版の実行時に読み込まれます。

ユーザー設定ディレクトリ (Windows XP):

  C:\Documents and Settings\(ユーザー名)\Application Data\nvda

(Windows Vista, 7, 8):

  C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\nvda

カスタマイズされた辞書のファイル名は characters-ja.dic にしてください。('ja' は言語をあらわします)

UTF-8 エンコーディングのテキストファイル、以下のフォーマット(タブ文字区切り)です。

  フィールド1: 文字
  フィールド2: 文字の Unicode 16進数表記
  フィールド3: 半角角括弧 [] で囲まれた「日本語のスペル読み」
  フィールド4: charactersDescriptions.dic の第2フィールドの内容(詳細読み)

ただし先頭がシャープ # で始まる行は無視されます。また先頭が \# の行は半角シャープの文字に関する情報です。

11. 既知の問題

11.1. Windows 8 での日本語入力

Windows 8 で NVDA のテキスト入力(読み上げ辞書の編集や NVDA+Ctrl+F の検索文字列など)において日本語を入力したあとで、NVDA を正常に終了できない場合があります。

この問題は以下の方法で回避できます:

12. 関連情報

12.1. ソースコード

NVDA日本語版のソースコード管理には2013年4月から git を使用しています。レポジトリは以下で公開しています。

12.2. アドオンの紹介

12.3. チケット登録

NVDA日本語チームでは チケットシステム で、確認された不具合および対応を公開しています。

NVDA 日本語版のバグは NVDA 本家コミュニティのチケットシステムではなく NVDA 日本語チームに報告してください。

メールアドレス nvdajp@nvda.jp へのご連絡につきまして、 バグ報告、ご要望、使い方の質問などには、 原則として個別にお返事をいたしませんので、ご了承ください。

日本語チームとして対応させていただく場合には、 ご連絡の内容を、個人を特定できないように編集したうえで、 チケットシステムで公開して検討させていただきます。

NVDA 日本語版を音声や点字の出力先として選択できるアプリ(NVDA の API を使用するアプリ)の不具合は、アプリ開発者様に報告することをお勧めします。

12.4. NVDA に対応したアプリケーション開発

NVDA に対応したアプリケーション開発は、以下の順序でご検討ください。

なお NVDA 日本語版は常に最新バージョンでの動作確認をお願いします。

NVDA 日本語チームに対するアプリケーション開発者様からのご相談は、公開のメーリングリストやチケットシステムに限ってお受けしております。

非公開の開発プロジェクトに対する有償の技術サポートについては nvdajp@nvda.jp にお問い合わせください。

13. バージョンごとの変更点

13.1. 2015.4jp の変更点

NVDA 日本語チームは以下の変更および改良を行いました。

以下の変更は NVDA 本家版 2015.4 と日本語版 2015.4jp の両方に反映されました。

13.2. 2015.3jp の変更点

NVDA 日本語チームは以下の変更および改良を行いました。

以下の変更は NVDA 本家版 2015.3 と日本語版 2015.3jp の両方に反映されました。

13.3. 2015.2jp の変更点

NVDA 日本語チームは以下の変更および改良を行いました。

また、以下の変更は NVDA 本家版 2015.2 と日本語版 2015.2jp の両方に反映されました。

13.4. 2015.1jp の変更点

NVDA 日本語チームは以下の変更および改良を行いました。

また、以下の変更は NVDA 本家版 2015.1 と日本語版 2015.1jp の両方に反映されました。

13.5. 2014.4jp の変更点

NVDA 日本語チームは以下の変更および改良を行いました。

また、以下の変更は NVDA 本家版 2014.4 と日本語版 2014.4jp の両方に反映されました。

13.6. 2014.3jp の変更点

NVDA 日本語チームは以下の変更および改良を行いました。

また、以下の変更は NVDA 本家版 2014.3 と日本語版 2014.3jp の両方に反映されました。

13.7. 2014.2jp の変更点

NVDA 日本語チームは以下の変更および改良を行いました。

また、以下の変更は NVDA 本家版 2014.2 と日本語版 2014.2jp の両方に反映されました。

以下の NVDA 本家版 2014.2 の不具合には日本語版 2014.2jp で独自に対応しました。

13.8. 2014.1jp の変更点

NVDA 日本語チームは以下の変更および改良を行いました。

また、以下の変更は NVDA 本家版 2014.1 と日本語版 2014.1jp の両方に反映されました。

13.9. 2013.3jp の変更点

NVDA 日本語チームは以下の変更および改良を行いました。

13.10. 2013.2jp の変更点

NVDA 日本語チームは以下の変更および改良を行いました。

13.11. 2013.1jp から 2013.1.1jp への変更点

本家版 NVDA 2013.1.1 では以下の不具合への対応が行われました。

NVDA 日本語チームは以下の不具合への対応や改良を行いました。

(以上)