世界のNVDAコミュニティと NVDA日本語版の最新情報 2014年9月6日 NVDA ワールド 2014 東京 NVDA日本語チーム 西本卓也 NVDA 日本語版の基礎データ * 1日平均 500人弱(本家版 18700人) * 本家版の国別ユーザー数の10位くらい? * Windows 7 約 65% * Windows 8.1 約 22% * Windows XP 約 7% * Windows 64ビット環境 約 56% * インストール環境 約96% * ポータブル版がもっと活用されるべき? NVDA 日本語版の状況 * 2010年から * 日本語対応版を定期的に公開 * 2013年5月の 2013.1jp から * 日本語入力対応が安定 * 2014年9月の 2014.3jp で * 全機能の日本語対応が完了予定 NVDA 日本語チームの活動の歩み * 2012年5月 発足 * 2012年7月 規約制定 正式な役員体制 * 2012年9月 Mick さん来日 PyCon JP * 2013年8月 NVDAワールド2013横浜 * 2014年3月 規約改訂「普及啓発活動」 * 2014年7月 全役員が留任して第2期の開始 * 2014年8月 盲ろう者大会(神戸)への参加 * 2014年9月 NVDAワールド2014東京 NV Access の活動 * 継続的なバージョンアップ * コア開発者 2人、スタッフの雇用 * チケット駆動開発(プロセスの公開) * 翻訳チーム * ひとつのNVDAで世界40カ国語以上に対応 * アドオンチーム * ポッドキャスト、教材、カンファレンス * Mozilla, Adobe, 日本財団などが資金援助 最近の機能拡張 * アドオン対応 * ラップトップ配列の改良 * 入力メソッド設定 * キーボード設定(流し読み) * 入力ジェスチャー * 押しにくいキー操作 * 設定プロファイル * アプリケーションごとの仕様変更 * オブジェクト通知設定 キーワード「統合」 * ひとつのバージョンのNVDA * 標準技術のサポート * あらゆる機能を共通の操作で * ブラウズモード * レビューカーソル * オブジェクトナビゲーション * NVDAはアプリ固有の操作を付け加えない スクリーンリーダー対応とは * スクリーンリーダーごとのAPI? * スクリーンリーダーごとに動作を切り替え? * アプリは Windows API だけを使うべき * ユーザーの操作が起点 * あなたは何? NVDA → Windows → アプリ * アプリ「私はOKボタンです」 * アプリ → Windows → NVDA * NVDA「OK ボタン」 オブジェクト * 画面に表示されるあらゆる「要素」 * オブジェクト階層の把握と操作 * 階層=アプリ開発者の都合で決まる * 開発者が見た目にこだわるうちに。。 * 本当はNVDAではなくアプリが配慮を * 見た目の美しさと論理的な構造 * 見た目にこだわることは否定すべきでない * 晴眼者の定番とアクセシブルなアプリの統合 キーワード「平等」 * リンクの読み上げで「ページ内」を区別しない? * 晴眼者に見えていない情報の通知は冗長 * 不平等は解消するが優遇もしない * NVDAの機能として * 日付と時刻の通知は必要 * タスクトレイ操作の支援は不要 * タスクトレイにキー操作で移動できる * クリップボード自動通知は不要 * アプリのショートカットやメニューはそのままで * NVDAの操作=ほぼWindowsとアプリの操作 NVDA の課題 * アドオンで対応? * 操作の効率性 * 操作のわかりやすさ * 画面を見る人向けの配慮 * Windows の知識 * 「通知のシェブロン」 * アプリ操作の一貫性 * 矢印キー、タブキー、F6キー ユーザーガイドの用語の不統一 * 日本語チームの翻訳 * 「マウスポインタ」 * 「マウスカーソル」 * 「マウスの移動」 * 直訳にこだわらないことにした * 同じものはいつも同じ言葉で スクリーンリーダーとセキュリティ * Windows とアプリのあいだで情報を取り出す * マルウェアとスクリーンリーダーの共通性 * こっそり悪いことをしないために * オープンソースであることは重要 * 開発のプロセスも公開であるべき * NVDA日本語チームの最近の方針 * 非公開の交渉や要望には応じないことを明確化 ひとつのNVDAに向けて * スクリーンリーダーの開発は困難な仕事に * ユーザーアクセス制御 * 電子署名の必須化 * お金か法人格か * ウィルス対策ソフトの誤検知 * 誰でも自由に派生版を作れるが * 現実は「ひとつのNVDA」が望ましい NVDA日本語チームの課題 * 本家版のソースに日本語独自処理を追加 * 独自に電子署名をしてリリース * 合同会社アプレット様の支援 * 電子署名の必要なファイル * 5個から10個くらいに増加? 2年前に話し合ったこと * NVDA日本語版を * NV Accessからリリースしてもらう * NVDA本家版と統合する 現実に起きていたこと * 香港、台湾が NV Access に資金援助 * 中国語対応を仕事として「発注」 * PyCon JP 2012 で関係者を日本に招待 * その成果が 2013.1jp の日本語対応 * 本家版のままでは日本語対応として不十分 * 差分はまだ本家版に統合されていない 永遠の未完成 * 現在も中国語・韓国語対応の改善がときどき * 日本語入力対応が壊れることもある * Windows のバージョンアップで仕様が変わる * 8.1 で中国語IMEの実装が変わったらしい * タッチ操作 * ソフトウェアキーボード 日本語チームの仕事 * いままで=本家にできない仕事を独自に行う * Python が書ける人を募集したりしていた * これから=本家の開発をチェックしていく * Python よりも大事なことがたくさん * 開発したけれは git とアドオンを * なるべく本家にコミットするべき * 世界のユーザーに貢献する 日本語版 2014.3jp 公開ベータ版 * 文字変換での文節区切り操作の通知 * 本家の中国語対応の積み残し * 日本語点字とNABCCの混在モード * マニアに喜んでもらえる機能 * テキスト編集で「改行」を通知 * 本家が「いらない」と宣言した機能 * IME状態の不可視と考えると「不平等の解消」 日本語チームの新しい役割 * 翻訳メンバーの拡充 * Subversion と PoEdit * Windows や NVDA の知識 * バグ報告 * 英語での議論への参加 * チケット * メーリングリスト * 英語の情報の収集・翻訳・発信 過去に本家に書いたチケット * 特定の日本語ユーザー名でインストール * 日本語入力システムを使うとハングアップ * 特定のメッセージが日本語化されていない 本家が大幅に手直しした作業 * Microsoft IME などへの対応 * Wordの段落インデント対応 本家が受理できない独自作業 * 日本語の音声エンジン * 日本語の点訳エンジン * 読み方モードと説明モードの切り替え * 日本語入力で「かわの」から「川の」に変換 * エディット複数行の改行位置の不具合 * Excelの行(列)見出しの点字出力 * NVDA設定ダイアログの表示位置 適切なバグ報告 * 開発者に再現可能であることが重要 * 準備する環境 setup * 再現手順 step to reproduce * 期待される結果 expected result * 実際の結果 actual result バグ報告のポイント * 何よりも「正確であること」 * 平易に誤解されにくく書く(特に英語では) * 箇条書きがよい * 具体的なキー操作の手順が重要 比較と原因追及 * 本家版と日本語版の比較 * NVDAのバージョンの比較 * ポータブル版でNVDA同士を比較する * 他のスクリーンリーダーとの比較 * Windows 8以降 * ナレーター、英語環境、日本語音声 * 原因探しや修正提案は不要 * 開発の邪魔になることも 正しい責任分担 * NVDA だけが責任者ではない。。 * Windows * アプリケーション * コンテンツ * 「お金」よりも「正しさ」 * 技術を正しく発展させるために * 正しい相手を見極めて * 正しく働きかけていくこと お願いしたいこと * 「平等」と「統合」という思想の理解 * Windowsの本来の操作の理解 * チャレンジ * 新しいOS、アプリ、技術を受け入れる * 晴眼者と同じアプリの活用 * 日本語チームへの報告 * 正確で適切な情報を